研究課題/領域番号 |
20H00925
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
2140:材料力学、生産工学、設計工学、流体工学、熱工学、機械力学、ロボティクスおよびその関連分野
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研究機関 | 奈良県立奈良高等学校 |
研究代表者 |
仲野 純章 奈良県立奈良高等学校, 教諭・SSH事業推進課長
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 –
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
300千円 (直接経費: 300千円)
2020年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
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キーワード | 音波 / 気柱 / 開口端反射 |
研究開始時の研究の概要 |
気柱振動は、中空管内の空気(気柱)が振動する現象であり、我々の社会生活とも深い関わりのある物理現象である。気柱振動の特性としては、一般に「中空管の開口端や閉口端で反射し、その際、開口端では自由端反射、閉口端では固定端反射する」といった説明がなされる。このように、気柱振動を体系的に語る上で、気柱振動が開口端で反射するとされる開口端反射は、閉口端での反射(閉口端反射)と共に重要な位置づけとなっている。しかしながら、開口端反射のメカニズム解明は十分進んでおらず、その解釈も定まっていない。本研究では、こうした実態を受け、計算機シミュレーションと実機試験の両面から開口端反射の本質を追究する。
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研究成果の概要 |
中空管内の空気(気柱)の振動現象、いわゆる気柱振動は、中空管の開口端や閉口端で反射するとされ、前者は開口端反射、後者は閉口端反射と呼ばれる。このうち、開口端反射については、その本質がこれまで十分明らかにされていない。 そこで、本研究では、開口端反射の本質を計算機シミュレーションと実機試験の両面から追究した。その結果、気柱振動が開口端に達すると、開口端の角部で同心円状の回折波が生じ、それと一体をなすように発生する同心円状の波が中空管内にも逆伝播し(この逆伝播波を逆回折波と呼ぶ)、当該逆回折波が開口端からの反射波であるかのように振る舞うという開口端反射の巨視的な発生機構提起に至った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高等学校の物理教育現場では、波動分野の重要現象として気柱振動が扱われるが、気柱振動を体系的に語る上で重要な位置づけにある「開口端反射」への理解が十分進んでいない中で指導されているのが実態である。本研究成果は、こうした状況の改善に向けた重要な基礎的データとなり得るものである。 今後、本研究を発端にさらなる追究が重ねられ、開口端反射の本質解明、ひいては気柱振動の体系的理解が進むことが望まれる。
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