研究課題/領域番号 |
20H00941
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
2160:土木工学、建築学、航空宇宙工学、船舶海洋工学、社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
青木 達也 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 技術専門職員
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 –
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
330千円 (直接経費: 330千円)
2020年度: 330千円 (直接経費: 330千円)
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キーワード | 鉄道 / 軌道 / 鉱山 / 産業遺産 / 土木遺産 / 足尾銅山 / 輸送 / 近代化 / 歴史的遺産 / 馬車鉄道 / 鉱山都市 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、日本の近代化・産業化に寄与した歴史的遺産が地域再生の資源として活用されている。そして、歴史的調査・研究が地域の個性と魅力を引き出す支えとなっている。日光市足尾町について見れば、「近代足尾銅山と鉱害問題の歴史やその関連遺産」が、環境保護の大切さを伝える植樹活動や世界遺産登録を目指した取組みなどに活用されている。足尾地域の遺産を種別に分類すると、探鉱・採鉱、選鉱、製錬、精錬、輸送・通信、生活・文化・教育、維持管理、エネルギー・用水、浄水・廃棄物、経営などに分けられるが、本研究対象はその種別でいうところの「輸送」を担った遺産となる。
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研究成果の概要 |
本研究はこれまで調査が十分に進められていなかった「馬車鉄道」を対象とし、その歴史的変遷の詳細を明らかにしながら、価値の検証及び当該遺産の絞り込みに資するための知見を取り纏めた。古河機械金属が所蔵する一次史料、明治期の鉱山法、他鉱山の軌道類が示されている文献、鉄道および軌道の法に関する文献などの史料調査のほか、地元の識者への聞き取り調査なども進めた結果、足尾銅山では富鉱脈の発見とそれに伴う生産体制の増強がきかっけとなり、燃料、生活物資、銅、機械類の輸送の必要性の向上、そして、道路整備と荷車による増強を経て、索道と馬車鉄道の手段が採られることが一次史料で裏付けられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本の近代化・産業化の過程では鉄道や軌道などの輸送機関の整備が重要な役割を果たしていた。その研究の対象としては鉄道が軌道に対して多く行われているが、特に産業化が急速に進んだ地方においては軌道敷設の重要性も大きかった。学術的な観点からみれば、本研究の意義は足尾銅山での事例を詳細に追って、国の方針や法に基づいて敷設が進められていたという史実を捉えたところにあると考えられる。また、社会的な観点から見れば、日光市が進めている足尾銅山の産業遺産を活用したまちづくりに資する遺産として、馬車鉄道の遺産の歴史的価値を高めた点にあると考えられる。
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