研究課題/領域番号 |
20H00957
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
2190:物理化学、機能物性化学、有機化学、無機・錯体化学、分析化学、高分子、有機材料、無機材料化学、エネルギー関連化学、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宍戸 理恵 東北大学, 多元物質科学研究所, 技術職員
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 –
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
460千円 (直接経費: 460千円)
2020年度: 460千円 (直接経費: 460千円)
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キーワード | TOF-SIMS / 検出感度向上 / リン脂質 |
研究開始時の研究の概要 |
微量の有機分子を可視化する技術は、がんの組織診断や薬物の代謝経路を特定する手段として利用されている。飛行時間型二次イオン質量分析法(TOFーSIMS)は、有機分子を高い感度と空間分解能で分析することのできる数少ない手法である。しかしながら分子量の大きい有機分子の場合、イオン化率が低いことに加え、一次イオンによるビームダメージを受けやすいという難点がある。そのため、質量数1,000を超える有機分子の高感度分析は未だ困難とされているのが現状である。
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研究成果の概要 |
TOF-SIMSは、微小領域に存在する有機分子を可視化することのできる数少ない分析手法である。一方で質量の大きい分子は低質量の分子と比較して、検出感度が2桁以上低い傾向にある。そこで本研究では、検出感度の低い生体リン脂質を高感度に検出するための新しい前処理法の開発を行った。 リン脂質に界面活性作用を有する胆汁酸を添加することで、その感度を60-100倍程度向上させることができた。さらにTOF-SIMSの質量イメージングおよびSEMによる形態観察から、両者により形成させる共結晶はリン脂質の感度を向上させるだけではなく、分子イオンのフラグメンテーションを抑制する効果を有することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
有機分子の可視化技術は、癌や感染症などを調べる細胞診断や組織診断に利用されている。本手法の開発により、TOF-SIMSでは、これまで検出することが難しいと考えられてきた生体分子の高感度分析が可能になった。さらにこの技術をイメージング質量分析に展開することで、微小領域に存在する生体分子の可視化が実現するものと予想される。この成果は、精密かつ迅速な病理診断につながることから、病理学分野への波及効果は大きいと考えられる。
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