研究課題/領域番号 |
20H00993
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3120:分子レベルから細胞レベルの生物学、細胞レベルから個体レベルの生物学、個体レベルから集団レベルの生物学と人類学、神経科学およびその関連分野
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研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
東海林 由巳子 麻布大学, 生命・環境科学部, 研究生
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 –
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
480千円 (直接経費: 480千円)
2020年度: 480千円 (直接経費: 480千円)
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キーワード | 搔痒 / TRPA1 / ルテイン / アトピー性皮膚炎 / 痒み |
研究開始時の研究の概要 |
慢性的な痒みは抗ヒスタミン薬の内服やステロイド薬外用に抵抗性を示すことから、難治性であることが多い。そのため、長期的な痒みによる不快感や過剰な掻破行動が患者に精神的・身体的ストレスをもたらし、QOLの低下に繋がることが問題視されている。これに関連して、アトピー性皮膚炎のマウスモデルにおいて、TRPA1チャネルを阻害することにより慢性的な痒みが抑制されることが報告されている。申請者らは緑黄色野菜に含まれるルテインがTRPA1チャネル活性を抑制することを明らかにしている。そこで、本申請課題では、ルテインがTRPA1チャネルの阻害剤として機能し、慢性的な痒みの予防・緩和に効果があることを立証する。
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研究成果の概要 |
慢性的な痒みによる不快感や過剰な掻破行動が患者に精神的・身体的ストレスをもたらし、QOL の低下に繋がることも問題視されており、慢性掻痒メカニズムの解明と治療薬開発は重要な課題である。これに関連して、アトピー性皮膚炎のマウスモデルにおいて、TRPA1 チャネルを阻害することにより慢性的な痒みが抑制されることが報告されている。食の生体調節機能を応用した疾病治療法として「補完代替医療」が期待されるなか、ルテインが TRPA1 チャネル活性を抑制することが報告されている。そこで、本研究では、ルテインが TRPA1 チャネルの阻害剤として機能し、慢性的な痒みの予防・緩和に効果があることを立証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「医食同源」という概念が知られているが、科学的にみても食の作用は薬と同様に多くが化合物と生体分子との反応として理解されるようになってきた。ファイトケミカルも生体機能に重要であることが判明し、ファイトケミカルの生体機能が解明されつつある。本研究から、ルテイン投与により慢性の痒みによる引っ掻き行動が抑制されることが判明した。以上のことからも、ルテインが TRPA1 の阻害薬となり、慢性的な痒みに対する補完代替医療に貢献する可能性を強く示唆しており、その社会的な意義は非常に高い。
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