研究課題/領域番号 |
20H01000
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3120:分子レベルから細胞レベルの生物学、細胞レベルから個体レベルの生物学、個体レベルから集団レベルの生物学と人類学、神経科学およびその関連分野
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
藤谷 和子 北里大学, 医学部, 教育系技術職員
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 –
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
480千円 (直接経費: 480千円)
2020年度: 480千円 (直接経費: 480千円)
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キーワード | 天然変性タンパク質 / IDR-OR / ERα1 |
研究開始時の研究の概要 |
天然変性タンパク質とは、立体構造を取らないIntrinsic disordered region(IDR : 天然変性領域)を持つタンパク質である。一方立体構造をとる領域はOrdered region(OR : 秩序領域)と呼ばれる。IDRはタンパク質-タンパク質相互作用(PPI)に関わり、相互作用すると安定した立体構造を取る。転写因子の多くは天然変性タンパク質だが、IDRと転写調節機能との関連は未解明である。本研究では“転写調節領域はIDR-ORのセットで機能する”と考えた。この【転写活性化能IDR-ORセット機能説】の検証を目的とし、転写因子の各種欠失変異の転写活性化能を解析する。
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研究成果の概要 |
天然変性タンパク質であるエストロゲンレセプター (ERα1) の転写活性を、構造と機能の関係から明らかにすることを目的として研究を行った。天然変性タンパク質は Intrinsic disorder region (IDR) と Ordered region (OR) から構成されることが多く、私は IDR と OR が1セットとして機能するという仮説を立て、欠失変異を作成することで ERα1 の活性を測定した。 その結果、IDR-OR の単位で作成した欠失変異の転写活性から、それらがセットで機能する可能性を示唆するデータが得られたため、今後さらに変異体を増やして解析を行いたい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
転写因子などに多い天然変性タンパク質は、その構造が不安定のために結晶化することが難しく、構造解析が出来ないことが多い。これまでは構造が強固で、比較的低分子のものしか構造解析が行われてこなかったが、今回の研究成果から発展し、天然変性タンパク質の機能と構造との関係を一般化して解明することが出来れば、創薬などを支える基礎データとなることも考えられる。難解であった複雑な複合体を形成した状態でのリガンドとの結合様式などを推測する技術に発展する可能性があると考えている。
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