研究課題/領域番号 |
20H01005
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3130:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
石川 有紀子 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 技術職員
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 –
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
480千円 (直接経費: 480千円)
2020年度: 480千円 (直接経費: 480千円)
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キーワード | 受容体 / 共発現 / オレキシン |
研究開始時の研究の概要 |
申請者の研究室では、新規睡眠障害治療薬の開発を目指して、覚醒維持に不可欠な神経ペプチドであるオレキシンの受容体を標的とした創薬研究を行っている。新規化合物の評価には、オレキシン受容体の安定発現株の細胞内カルシウム上昇反応を指標としてきたが、異なる受容体に対する反応や複数の受容体を同時に発現させた場合(共発現)の反応を見るために必要な安定発現株の作成に時間と労力を要するという課題があった。 そこで本研究では、単一または複数の受容体を一過性に発現させた細胞で個々の細胞内カルシウム変化を検出する系を確立し、開発中のオレキシン受容体作動薬のより生体内に近い受容体共発現系に対する反応性の評価を目指す。
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研究成果の概要 |
当研究室では覚醒維持に不可欠な神経ペプチドであるオレキシンの受容体を標的とした低分子化合物の探索を行っている。オレキシンには1型と2型の2種の受容体が存在し、それぞれが単独で発現した場合と共発現した場合でその細胞内のカルシウム上昇反応にどのような影響が見られるかはこれまで明らかにされていない。 本研究では培養細胞にこれらの受容体を一過性に発現させ、単一細胞ごとのカルシウム上昇を測定する方法を確立した。その結果、1型または2型単独の場合に比べて1,2型受容体共発現細胞ではオレキシンに対するカルシウム上昇反応が有意に減少することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生体内では神経細胞の種類によってオレキシン受容体の発現パターンが異なることが判っている。またオレキシンは睡眠覚醒のみならず情動などにも関わっており、受容体の型によりその作用機序も異なる。 本研究の結果はオレキシン受容体の発現パターンによって細胞内シグナル伝達が異なることを示唆している。
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