研究課題/領域番号 |
20H01018
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3180:医療薬学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 祐介 浜松医科大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 –
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
480千円 (直接経費: 480千円)
2020年度: 480千円 (直接経費: 480千円)
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キーワード | 薬物動態 / アプレピタント / CINV / 悪心 / 嘔吐 / 制吐剤 / 血中濃度 |
研究開始時の研究の概要 |
アプレピタントが薬効を発揮するためには血液脳関門を通過する必要があり、実際には遊離型のアプレピタント及び代謝物がNK1受容体に作用していると考えられる。しかしこれまでにアプレピタント内服患者におけるアプレピタント及びその代謝物の遊離型の血漿中濃度を測定し、制吐作用との関係を調べた報告はない。 本研究ではアプレピタント及び代謝物の血漿中遊離型濃度の測定法を確立し、測定した血中濃度と制吐作用との関係性について明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
がん化学療法による悪心・嘔吐に対して使用されるアプレピタント内服患者に対して、アプレピタントとその代謝物の総及び遊離型血中濃度を測定し、制吐効果との関連について検討した。採血はアプレピタントをday1に125mg、day2-3に80mg内服後のday4の朝とし、血中濃度はLC-MS/MSで測定した。制吐効果はアンケートを用いて確認した。結果、各血中濃度には大きな個人差が存在し、遅発性の吐き気が生じなかった患者では、吐き気が生じた患者に比べて代謝物であるNDAPの遊離型血中濃度が高い傾向(P = 0.017)にあることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん化学療法に伴う悪心・嘔吐は、患者が最も不快に感じる有害作用のひとつであり、生活の質を著しく低下させるだけでなく、治療の継続を困難にする場合もある。治療効果を最大限に発揮するためにも、これらをマネジメントすることは重要であり、治療の個別化が望まれている。今回の研究成果により、遅発性の悪心に遊離型の代謝物のNDAPが関わっていることが示唆された。今後この遊離型NDAPの変動要因について検討していくことで、患者の生活の質の改善に寄与できるものと考える。
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