研究課題/領域番号 |
20H01042
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3180:医療薬学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
江角 悟 岡山大学, 大学病院, 薬剤主任
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 –
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
460千円 (直接経費: 460千円)
2020年度: 460千円 (直接経費: 460千円)
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キーワード | ジアゼパム / リポポリサッカライド / プレパルスインヒビション / せん妄 / 術後せん妄 |
研究開始時の研究の概要 |
せん妄による危険行動は医療事故のリスク増大、入院期間の長期化が報告され、患者QOLの低下や医療費の増大につながる。せん妄の治療には抗精神病薬が用いられているが、近年の報告では抗精神病薬はせん妄の予防効果や予後改善効果は認められず、根本的治療薬の開発が急務である。本研究ではせん妄患者の多くに認められる全身炎症状態に着目し、統合失調症における感覚統合障害を評価可能な実験モデルであるプレパルスインヒビション(PPI)実験を用いて検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では術後せん妄における幻覚妄想状態の評価モデル作成を目的として、リポポリサッカライド(LPS)誘発全身炎症およびせん妄リスク薬であるジアゼパムがマウスのプレパルスインヒビション(PPI)に与える影響を評価した。その結果、低用量のLPSおよびジアゼパムはPPIを傷害し、一方で各薬物 の単独投与時に認められたPPIの障害作用は、併用投与時に消失することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、実験モデルにおいてせん妄リスク病態である炎症状態やベンゾジアゼピン受容体作動薬の使用が感覚統合障害をもたらす可能性を明らかにすることができた。また、、特に比較的低用量で感覚統合障害を来すことから、せん妄発症のハイリスク期に関する知見が得られた。せん妄様病態の実験モデルを用いた研究の発展により、せん妄の病態解明や予防策の開発に応用可能である。
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