研究課題/領域番号 |
20H01051
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3180:医療薬学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
天野 賢治 東邦大学, その他部局等, 胚培養士
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 –
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
480千円 (直接経費: 480千円)
2020年度: 480千円 (直接経費: 480千円)
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キーワード | 精子 / DNA損傷率 / DNA断片化率 / swim up法 / パーコール密度勾配遠心法 / 精子DNA損傷率 |
研究開始時の研究の概要 |
受精および胚の発育には、卵子の質と精子の受精能力が重要であるが、精子の受精能力には、精子の数と運動性が重要な要素である。精液中の精子の濃度と運動率は、酸化ストレスや活性酸素種による影響を受けることが知られており、また、酸化ストレスはDNA損傷を惹起する要因であることも知られている。そして、DNA損傷の有無と受精能、胚発生能との関連が報告されており、損傷があるほど受精能と発生能は低下する。そこで本研究では、精液処理法が精子DNA損傷率に及ぼす影響を調べるため、swim up法或いはパーコール密度勾配遠心法で処理した精液について、処理前後の精子DNA損傷率を比較検討する。
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研究成果の概要 |
生殖補助医療において受精能力の高い精子を選別することは重要であり、運動性良好精子を回収する方法としてはswim up法とパーコール密度勾配遠心法がある。それぞれの処理方法がDNA損傷率に与える影響を調べるため、処理前後のDNA断片化率をTUNEL法を用い測定した。その結果、swim up法処理後のDNA断片化率は処理前とほとんど変わらなかったが、パーコール密度勾配遠心法処理後はDNA断片化率が高く、swim up法の方が優れている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題では、生殖補助医療における精液処理方法の違いが精子DNA損傷率に与える影響について調べ、swim up法がパーコール密度勾配遠心法より優れている可能性を示唆する結果を得た。二つの処理方法は共に精子運動率を増加させるが、見た目には分からないDNA損傷率に関して、同一検体を用いて比較することにより違いがあることを示した。今回の成果は、生殖補助医療において精液処理方法を選択する上で有用な情報となることが期待される。
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