研究課題/領域番号 |
20H01054
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3180:医療薬学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 雄大 東京大学, 医学部附属病院薬剤部, 薬剤師
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 –
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
400千円 (直接経費: 400千円)
2020年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
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キーワード | 抗菌薬適正使用 / 届出制 / 抗MRSA薬 / カルバペネム系薬 / AST / 広域抗菌薬 |
研究開始時の研究の概要 |
近年では、抗菌薬の適正使用状況を、抗菌薬使用量や使用症例数といった量的指標だけでなく、抗菌薬使用プロセスの適正性といった質的観点からも評価することが求められている。海外では血液培養採取、投与予定期間の設定、感染部位の想定といった抗菌薬適正使用に必須なプロセスの実施状況を、抗菌薬使用の質評価指標(Quality indicator : QI)として利用し、抗菌薬適正使用を推進する動きがある。 本研究では、簡便に抗菌薬適正使用プロセスの適正性を評価するツールを提案することを目的として、日本独自の抗菌薬使用管理ツールである抗菌薬使用届出書を、抗菌薬適正使用に関連するQIのチェックリストとして再評価する。
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研究成果の概要 |
本研究は、「抗菌薬開始時に記載する届出書の記載状況によって抗菌薬使用のプロセスに影響を与えているか」を明らかにすることであった。記載良好な群と記載不良な群で比較した結果、感染部位の想定は記載良好群のほうが抗菌薬適正使用支援チーム(AST)の診断する感染源と一致する割合が高い傾向にあったが、いずれの項目においても有意な差は認められなかった。 届出制は抗菌薬適正使用を推進するツールの一つであるが、監視対象薬剤の使用患者を即時に漏れなく確認できる施設かつ感染症内科やASTの体制が整っている総合病院などでは届出書の記載が感染症治療のプロセスに及ぼす影響は限定的であると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
届出書の記載が良好な群で感染部位の想定はASTの診断する感染源と一致している割合は多い傾向にあった。届出書の記載が抗菌薬プロセスへ与える影響を評価できたことは、今後の適正使用の新たな介入方法の立案をする上で意義は大きいと言える。また、今後研究が進むことで患者ごとの感染症治療の適正性が向上し、世界的に問題となる耐性菌の検出率の低減につながることが期待され、社会的意義は大きいと言える。
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