研究課題/領域番号 |
20H01055
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3180:医療薬学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
外島 由梨 東京大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 –
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
480千円 (直接経費: 480千円)
2020年度: 480千円 (直接経費: 480千円)
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キーワード | オラパリブ / 貧血 |
研究開始時の研究の概要 |
オラパリブはPoly(ADP-ribose)polymerase(PARP)を標的とする分子標的薬であり、breast cancer susceptibility gene(BRCA)1/BRCA2遺伝子変異陽性の卵巣癌・乳癌に対するKey drugに位置付けられている。 本研究はオラパリブによる腎障害発症のリスク因子の検討と、腎障害と貧血の関連性について探索を行い、適正使用に有用な情報を提供することを目的とする。腎障害と貧血発症に関連性が示唆された場合は、オラパリブの血中濃度測定も検討する予定である。
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研究成果の概要 |
2018年4月から2021年1月までにプラチナ感受性再発卵巣癌に対してオラパリブを投与した患者を対象にオラパリブによる貧血、腎障害のリスク因子の探索を行った。重篤な副作用としては貧血が最も高頻度であった。オラパリブによる重篤な貧血のリスク因子を解析したところ、単変量解析では年齢が65歳以上、オラパリブ投与前のクレアチニンクリアランス(Ccr)が80mL/min未満、および再発化学療法時におけるGrade 4の好中球減少症発症歴が抽出されたが、多変量解析の結果、Grade 4の好中球減少症発症歴のみが独立したリスク因子として特定された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
オラパリブはPARPを標的とする分子標的薬であり、BRCA1/ BRCA2遺伝子変異陽性の卵巣癌・乳癌に対するkey drugに位置付けられている。しかし、日本人の安全性のデータは少なく、副作用のリスク因子も明らかとなっていない。オラパリブによる重篤な副作用の発現率と発症に関連するリスク因子を明らかにすることは重要な臨床的課題である。 今回、オラパリブは体内動態に腎臓が一部寄与していること、単変量解析ではCcrが重篤な貧血のリスク因子として抽出されたことから、今後は残検体を利用してオラパリブの血中濃度を測定し、血中濃度と貧血、腎機能、副作用の関連を検証する予定である。
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