研究課題/領域番号 |
20H01056
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3180:医療薬学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
飯塚 史織 筑波大学, 附属病院, 薬剤師
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 –
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
450千円 (直接経費: 450千円)
2020年度: 450千円 (直接経費: 450千円)
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キーワード | イリノテカン / 半夏瀉心湯 / UGT1A1 |
研究開始時の研究の概要 |
イリノテカンの副作用には下痢があり、その発現には、活性代謝物(SN-38)の代謝酵素であるUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)1A1の遺伝子多型が関係している。すなわち、これらのホモまたは複合ヘテロ接合体の患者では、酵素活性の低下によりSN-38の代謝が遅延し、副作用のリスクが高まる。漢方薬の半夏瀉心湯は、イリノテカンによる下痢に対する有効性について報告されているが、その有効性とUGT1A1遺伝子との関係は明らかにされていない。 本研究では、イリノテカンによる下痢予防を目的に使用する半夏瀉心湯の使用実態を、UGT1A1の遺伝子多型と併せて調査することを目的とした研究である。
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研究成果の概要 |
イリノテカン治療中に下痢予防薬を投与した24名(男/女:10/14)67サイクルの下痢の発症を調査し、半夏瀉心湯(HS)群とそれ以外で比較した。 UGT1A1遺伝子多型よりExtensive/Intermediate/Poor metabolizer(EM/IM/PM)は13/6/5名であった。EM/IMではHS群の25サイクル中19サイクル(76%)、それ以外の29サイクル中13 サイクル(45%)で、PMではHS群の2サイクル中1サイクル(50%)、それ以外の11サイクル中9サイクル(82%)で下痢はなかった。HSは、EM/IMにおけるイリノテカン誘発下痢に対する予防効果が高いと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
イリノテカンの副作用には下痢があり、その発現には、活性代謝物(SN-38)の代謝酵素であるUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)1A1の遺伝子多型(UGT1A1*6、*28)が関係している。これらのホモまたは複合ヘテロ接合体の患者では、酵素活性の低下によりSN-38の代謝が遅延し、副作用のリスクが高まる。漢方薬の半夏瀉心湯は、イリノテカン誘発下痢に対する有効性は報告されているが、UGT1A1遺伝子との関係は明らかにされていない。 本研究により、イリノテカン誘発下痢に対する半夏瀉心湯の有効性とUGT1A1遺伝子との関係が明らかになれば、イリノテカンを含む化学療法の下痢予防に貢献できると考えられる。
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