研究課題/領域番号 |
20H01059
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3180:医療薬学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
中原 良介 大分大学, 医学部, 薬剤師
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 –
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
480千円 (直接経費: 480千円)
2020年度: 480千円 (直接経費: 480千円)
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キーワード | Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害薬 / TDM / 心血管障害 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、慢性骨髄性白血病(以下、CML)患者の心血管障害発症とBcr-Ablチロシンキナーゼ阻害薬(以下、TKI)薬物血中濃度の関連性について解析を行い、TKI長期服用中患者の心血管障害発症のリスク回避にTKI薬物血中濃度が有用な指標となりうるかを検討する。本研究の成果により、TKI-薬物血中濃度モニタリング(以下、TKI-TDM)が心血管障害発症リスクを回避する有用なツールとして、TKIによるCML治療のさらなる発展に寄与することが期待される。
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研究成果の概要 |
Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)投与による心血管障害の発症は用量依存性と考えられているが,実臨床においてリスク回避に対する具体的な手立てはなく,臨床症状から画一的な投与量の減量が行われている。本研究では,TKI投与患者に対し薬物血中濃度モニタリング(TDM)を行い,心血管障害の発症とTKI薬物血中濃度の関連性について解析した。現在,症例蓄積中であるが,ダサチニブ投与中に心血管障害が発現,投与休止となった慢性骨髄性白血病(CML)患者にTDMを実施し,投与量の調整を行った結果,心血管障害症状が改善,投与継続可能となり1年半後には完全寛解が得られた1症例を経験した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本結果は,TKI-TDMがTKIによる心血管障害発現時の投与量調整に有用なツールであったはじめての報告となるが,現在症例蓄積及び解析中の段階であり,明らかな成果は得られていない。今後さらなる症例蓄積を行い,心血管障害の発症とTKI薬物血中濃度の関連性が明らかとなれば,TDMがTKI長期服用患者の心血管障害発症リスクを下げるツールとして,CML治療のさらなる発展に寄与することが出来ると考える。
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