研究課題/領域番号 |
20H01061
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3180:医療薬学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
星川 昂平 浜松医科大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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研究協力者 |
内藤 隆文
阿久津 駿太
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 –
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
480千円 (直接経費: 480千円)
2020年度: 480千円 (直接経費: 480千円)
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キーワード | トルバプタン / 代謝物 / 薬剤性肝障害 / 胆汁酸輸送 / OATP / 遺伝子多型 / コプロポルフィリン / サイトケラチン |
研究開始時の研究の概要 |
近年、トルバプタンの主代謝物DM-4103が胆汁酸輸送を担うトランスポーターを阻害することが明らかとなってきた。特に、肝臓へのビリルビン取り込みを担う有機アニオン輸送ポリペプチド(OATP)1B1は、血中DM-4103濃度が低い患者においても十分に阻害される。心不全に伴う体液貯留に対しトルバプタンを服用する心不全患者を対象とし、トルバプタンおよびDM-4103の血中挙動が、実臨床においてOATP1B1輸送能にどの程度影響を及ぼしているかを解明する。
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研究成果の概要 |
本研究において、心不全患者に対する低用量のトルバプタン投与では、トルバプタン、および、その主代謝物DM-4103の血中濃度に大きな個人差があることが確認されたものの、それらによるOATP1B1基質濃度の違いは見られなかった。また、OATP1B1遺伝子型は、OATP1B1基質濃度に有意な影響を示さなかった。トルバプタンとDM-4103に起因する薬剤性肝障害は生じず、むしろ、トルバプタンは肝保護的な作用を有することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、トルバプタンを服用する心不全患者を対象に、服用直前のトルバプタン、および、その主代謝物DM-4103の血中濃度を評価し、それらとOATP1B1輸送能や薬剤性肝障害マーカーとの関係を、実臨床の患者血液検体を用いて新規に評価した。その成果は、トルバプタンによる肝毒性の発現機序の理解につながるのみならず、多くの医薬品による薬剤性肝障害の早期発見に有用な情報を与えると考えられる。
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