研究課題/領域番号 |
20H01078
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3190:生体の構造と機能、病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中野 恵一 北海道大学, 大学病院, 臨床検査技師
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
480千円 (直接経費: 480千円)
2020年度: 480千円 (直接経費: 480千円)
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キーワード | IgG4-IgE複合体 / IgG4関連疾患 / 免疫複合体 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは、IgG4-IgE複合体の存在を突き止め、その測定法を確立し、IgG4関連疾患患者の一部にIgG4-IgE複合体が存在することをはじめて明らかにした(JSPS科研費19H00420)。しかし、IgG4-IgE複合体の大きさとIgG4-IgE間の親和性や病態上の意義に関する知見は全く未知である。本研究では、IgG4-IgE複合体の分子量や親和性を検証し、IgG4-IgE複合体の病態への関連性を調査する。
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研究成果の概要 |
IgG4-IgE複合体はIgG4関連疾患患者の21.2%に認められたが、他の疾患では認められなかった。さらに、IgG4-IgE複合体保有患者は、自己免疫性膵炎患者が高頻度であるということが明らかとなった。一方、IgG4-IgE複合体の保有群と非保有群において臨床所見を比較検討したが、統計学的な有意差は認められず、IgG4-IgE複合体の臨床的意義は明らかになっていない。IgG4-IgE複合体の存在はIgG4、IgEの各濃度に依存しないことから、IgG4やIgEの量的異常ではなく、質的異常や他の因子に起因する可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
IgG4とIgEが結合したIgG4-IgE複合体は、IgG4関連疾患患者に限定して認められた。さらに、IgG4-IgE複合体保有例は、自己免疫性膵炎患者が高頻度であるということが明らかとなった。一般にIgGサブクラスの中でIgG4は僅か3~4%である。しかし、IgG4-RDではIgG4の比率が極端に高くなり組織に沈着するが、IgG4産生の意義は十分に解明されておらず、IgG4-IgE複合体の存在は病態の解明の手がかりとなる可能性がある。
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