研究課題/領域番号 |
20H01118
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3230:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
押谷 将之 兵庫医科大学, 医学部, 歯科医師
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 –
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
480千円 (直接経費: 480千円)
2020年度: 480千円 (直接経費: 480千円)
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キーワード | N-acetylcysteine / ゾレドロン酸 / 抜歯 |
研究開始時の研究の概要 |
我々の研究グループはビスホスホネートおよび酸化ストレス(OS)誘発剤であるDL-buthionine-(S,R)-sulfoximineをマウスに投与することにより、顎骨壊死モデルを作成した。抗酸化ストレス剤であるN-acetylcysteine(NAC)は近年口腔領域において、骨芽細胞の分化促進による骨再生加速効果を示すことが報告されている。今回、顎骨壊死を発症させたマウスにNACを投与し、その有効性が証明できれば、ビスホスホネート系薬剤関連顎骨壊死の治療へつなげることが期待できると考えた。
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研究成果の概要 |
ゾレドロン酸(ZOL)を用いて作成した顎骨壊死モデルに抗酸化ストレス剤であるN-acetylcysteine(NAC)を投与し抜歯を行い、抜歯窩骨性治癒への影響を検討した。マウスをZOL+NAC投与群とZOL単独投与群に分け、NACを単回投与した後に両群にZOLを7日間投与した。投与翌日に上顎片側臼歯の抜歯を行い、さらにZOLを4日間投与し上顎骨を採取した。上顎骨のHE、TRAP染色を行い、骨性治癒への影響を病理組織学的に評価した。結果は健側の上顎臼歯周囲の破骨細胞数はZOL+NAC投与群でZOL単独投与群より増加を認めたが、抜歯窩の骨性治癒および抜歯窩周囲の破骨細胞数に差は認めなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
申請者らはゾレドロン酸(ZOL)と酸化ストレス誘発剤であるL-ブチオニン-スルホキシミン(BSO)をマウスに投与し、酸化ストレス(OS)がARONJの発生の一因となっていることを報告した。今回の研究では、我々が作成した顎骨壊死モデルにNACを投与し、顎骨壊死への影響を検討することで、ARONJの予防や治療の発展につなげることを目的とする。ZOL投与により破骨細胞のアポトーシスが促進され、骨吸収が抑制される。健側の上顎臼歯周囲の破骨細胞数がZOL+NAC投与群で増加したことにより、NACはZOLによる破骨細胞のアポトーシスを抑制する可能性が示唆された。
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