研究課題/領域番号 |
20H01129
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3240:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
福井 亮平 岡山大学, 大学院保健学研究科, 助教
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 –
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
480千円 (直接経費: 480千円)
2020年度: 480千円 (直接経費: 480千円)
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キーワード | PET/CT / 人工知能 / 深層学習 / GAN / 減弱補正 |
研究開始時の研究の概要 |
PET/CT検査において、PETと同時に収集するCT画像を用いた減弱補正は、PET画像の診断価値を向上させる必須の技術である。しかし、PET/CT検査の被ばく全体に対するCTの寄与は大きく、各施設ではCTの撮影条件を見直すなどの努力が続けられている。一方、人工知能技術を大幅に前進させた深層学習の多彩なモデルの中で、GANが注目されている。GANは、特に画像分野での発展が著しく、高精度の画像生成の開発に用いられている。本研究ではGANを用いてPET画像からCT画像を生成し、PETの減弱補正に用いることでCTを排したPET検査を提案することにより、患者被ばくを低減する技術の開発を目的とした。
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研究成果の概要 |
本研究では,従来はCT画像により実施されるPET画像の減弱補正を,深層学習(CycleGAN)による疑似CT画像作成により達成することを目的とした.診療で撮影された約15,000枚のPET画像とCT画像により学習したCycleGANにより,PET画像から疑似CT画像を生成することは可能であった.また,疑似CT画像によりPET画像の減弱補正も達成された.画像の類似度を評価する指標により,疑似的なCT画像および減弱補正されたPET画像の類似度は高いことが確認された.しかし,臨床で用いるにはさらに疑似CT画像の生成精度を向上させる必要があり,学習モデルの改善や,学習データの増強が必須である.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PET/CT検査における被ばくは,その半分がCT撮影による.しかし,PET検査に至るまでにCT検査は実施されている例がほとんどであり,PET検査中に撮影するCTは診断価値を有しておらす,減弱補正を専らの目的としている.本研究による成果により,CT撮影をスキップして検査を終えることが可能となり,患者の被ばくは大幅に低減可能である.また,まったくCTが不要となれば,PET装置の価格も下げることになり,病院施設の導入コスト,ランニングコストを削減できる.被ばくに敏感な小児疾患についてもPETの適用が広がり,PET検査の臨床的価値を向上させる可能性を秘めている.
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