研究課題/領域番号 |
20H01130
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3240:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
西田 拓洋 高知大学, 医学部附属病院, 臨床心理士
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 –
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
450千円 (直接経費: 450千円)
2020年度: 450千円 (直接経費: 450千円)
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キーワード | 軽度認知障害 / 発達障害 / 認知機能検査 |
研究開始時の研究の概要 |
認知症疾患診療は、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)の段階で診断し、治療開始することが望まれている。しかし近年MCIの中に児童青年期までに診断されなかった発達障害者に、加齢性の認知低下が加わった状態の人が混在している可能性が指摘されている。本研究では、神経画像検査やCSF中のADバイオマーカー検査、発達障害評価を実施し、AD、DLB、ASD、ADHD等の原因疾患同定のための鑑別診断を行い、発達障害MCIと認知症MCIの割合を計算する。また認知機能や巧緻運動評価を実施し、その結果を2群間で比較した上で有意差が認められた検査項目に対し判別分析を行い、判別式を作成することで臨床に役立てる。
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研究成果の概要 |
認知症疾患の診療において,認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)の段階で診断し,治療開始することが望まれているが,近年MCI者の中に発達障害者に加齢性の認知機能低下が加わった状態の人が混在している可能性が指摘されている。本研究では,認知症によるMCIと発達障害によるMCIとを簡便に鑑別できる方法の確立を目的とした。その結果,認知機能評価の平均値での有意な差は認められたが,判別分析では有意な有効性は認められなかった。認知機能評価の中でも記憶を測定するWMS-Rの下位検査において群間差が示され,WMS-Rは認知症によるMCIと発達障害によるMCIとを鑑別しうる検査になる可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
認知症は今後,増加することが推計されており,認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)の段階で診断し,治療することが重要となる。本研究では,認知症によるMCIと発達障害によるMCIとの認知機能検査による鑑別には至らなかったが,高度の神経画像検査が無い施設でも,認知機能検査によって早期発見につながるのであれば社会的意義は大きいといえる。今後は症例数を増やしたうえで比較,検討をおこなう必要があると考える。
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