研究課題/領域番号 |
20H01131
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3240:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
高野 祥子 福岡大学, 医学部, 臨床保育士
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 –
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
440千円 (直接経費: 440千円)
2020年度: 440千円 (直接経費: 440千円)
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キーワード | 慢性疾患 / 思春期 / 移行期支援 / 炎症性腸疾患 / ピアサポート / 復学時支援 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者らが2019年度に実施した「思春期の炎症性腸疾患患者の体験知の共有環境の構築と効果検証」により、思春期IBD患者それぞれが復学にあたり個別に対応し工夫していることが明らかになった。これは、本研究の根幹であり、研究代表者が所属部局に提案し、学内倫理委員会での承認を経て部局予算により実施したものである。本研究は、2019年度に得られた知見を院内に留めず広く周知させるべく、“復学時”にフォーカスを当てた研究に発展させるものである。
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研究成果の概要 |
本研究は思春期の炎症性腸疾患(以下IBD)患者のQOL向上を目指し、支援プログラムの知見を積み上げることを目的とする。思春期IBD患者を対象にアンケート調査及びワークショップ(WS)を実施した。WSは思春期IBD患者及び医療・教育・デザイン分野の9職種とが協働した。症状や体験を他者へ伝える視点にて意見交換を重ね、成果物として冊子「学校生活をよりよいものにするためにーIBDと診断されたあなたへー」を作成した。調査の結果、思春期IBD患者は復学時に生活変容した人が多く、個別の課題に対する支援の重要性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
IBD患者数は増加傾向にあるが、患者数の少なさからか同疾患患者同士が出会う機会は少ない。そこで、支援プログラムのひとつの形として同世代同疾患患者が体験を共有する機会を作ること、また思春期の患者自身が医療・教育・デザイン分野の専門職と共同で「周囲に自身について伝えるツール」として冊子の製作を試みた。参加した思春期のIBD患者からは「自分だけじゃないと実感した」という声が複数聞かれ、他者の視点を意識した上で自身の疾患や症状について発信していく体験が肯定的に捉えられている様子だった。冊子は今後新たに診断された患者らに広く配布し、支援プログラムとしての効果検証を測る計画である。
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