研究課題/領域番号 |
20H01164
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
4110:情報科学、情報工学、人間情報学、応用情報学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
吉川 浩 北海道大学, 事務局, 特定専門職
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 –
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
480千円 (直接経費: 480千円)
2020年度: 480千円 (直接経費: 480千円)
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キーワード | アナログ電子回路 / イジングモデル / 最適化問題 / 焼きなまし法 / アナログ回路 / アニーラ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は、アナログ電圧が回路定数によって自然に決定される現象をアニーリング部分に応用することで最適化問題を高速に解く計算機を実現する研究である。具体的には、抵抗とアナログコンパレータで構成されたイジングモデルの回路に、電気的なノイズを加えてアニーリングを行い、回路の状態をイジングモデルの基底状態へ収束させる計算機である。 2019年度に実施した先行研究では、実験基板を作成して簡単な4色問題が解けることを確認している。本研究課題では先行研究から回路規模を拡大し、さらに非同期動作による高速化やイジング計算モデルの改良を行う。
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研究成果の概要 |
アナログ・アニーラが発振する問題に対して、回路に与えるノイズの振幅を徐々に減衰させる手法が有効であることを実験的に示し、この成果を情報処理学会第83回全国大会で発表した。 この回路安定化により、昨年度は12個のスピンしか扱えなかった実験基板の規模を32個のスピンまで拡大し、4色問題を解くデモにより動作を検証した。 一方で、このアナログ回路が実際にイジングモデルと等価であることを数学的なモデルで示し、その成果を発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、「イジングモデル」と「焼きなまし法(シミュレーテッド・アニーリング)」を用いた最適化問題を解く手法にアナログ回路の性質を応用して高速に解くアニーラの実現を目指している。 アナログ回路は回路定数や接続状態に応じて電圧が自然に決定されるので、この原理をアニーラに応用することで、ディジタル回路で必要であった極小値を探索するための繰り返し計算を大幅に削減できディジタル回路より高速に計算できる可能性がある。 本研究成果は、考案したアナログ回路がイジングモデルと等価であることを示し、アナログ回路によるアニーリングが可能であることを実証するとともに新しい計算機の原理を開拓するものである。
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