研究課題/領域番号 |
20H01177
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
植村 玄輝 岡山大学, 社会文化科学学域, 准教授 (40727864)
|
研究分担者 |
吉川 孝 甲南大学, 文学部, 教授 (20453219)
八重樫 徹 広島工業大学, 工学部, 准教授 (20748884)
鈴木 崇志 立命館大学, 文学部, 准教授 (30847819)
竹島 あゆみ 岡山大学, 社会文化科学学域, 教授 (70273951)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
|
キーワード | フッサール / 現象学 / 社会哲学 / 共同体 / 倫理学 / 田辺元 / 総合雑誌 / 「『改造』論文」 / 社会的作用 / 哲学史 / 国家 / 社会的経験 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、現象学の創始者エトムント・フッサール(Edmund Husserl)が1922年から1923年にかけて日本の雑誌『改造』に寄稿した5編の論文(うち2編は当時未刊)、通称「『改造』論文」について、フッサールの思想の発展・同時代の現象学的な社会哲学の系譜・より広範な社会哲学史の系譜という三つの文脈に位置づけ、現象学的な社会哲学の可能性についてひとつの見通しを与えることを目指すものである。
|
研究成果の概要 |
本研究は、フッサールが1923/24年に日本の総合雑誌『改造』に発表した連続論文、通称「『改造』論文」について、以下の二点を明らかにした。(1)本研究は、同論文における個人倫理学をフッサール倫理学の発展のなかにより適切に位置づけ、それがその前後の時期の倫理学の要素を不整合なく併せ持つことを示した。(2)今述べた成果を踏まえ、また1920年代のフッサールの共同体論を併せて精査することによって、本研究は、「『改造』論文」では素描されたにとどまった社会倫理学の構想を、形式的な観点からの政治哲学として再構成した。これらの成果は2023年5月・9月に本研究の一環として開催された国際学会でも発信された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「『改造』論文」はこれまで、フッサールが生前に刊行した著作のひとつであるにもかかわらず、その内容および出版形式の独特さから、周縁的なテクストとして扱われる傾向にあった。それに対して本研究は、「『改造』論文」における個人倫理学および社会倫理学の構想をフッサール現象学全体のなかに位置づけることで、同論文の重要性をより明らかにした。また本研究は、フッサールが「『改造』論文」を日本の雑誌に発表したという出来事が当時の文脈において何を意味しえたのかを、当時の日本哲学の状況などを踏まえながら解明した。これらによって、フッサール現象学をより広いパースペクティヴで捉える研究を用意する点で意義深いといえる。
|