研究課題/領域番号 |
20H01193
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01030:宗教学関連
|
研究機関 | (財)古代オリエント博物館 |
研究代表者 |
月本 昭男 (財)古代オリエント博物館, 研究部, 館長 (10147928)
|
研究分担者 |
高橋 原 東北大学, 文学研究科, 教授 (30451777)
田澤 恵子 (財)古代オリエント博物館, 研究部, 研究員 (30598587)
津本 英利 (財)古代オリエント博物館, 研究部, 研究員 (40553045)
平藤 喜久子 國學院大學, 神道文化学部, 教授 (50384003)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
14,170千円 (直接経費: 10,900千円、間接経費: 3,270千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
|
キーワード | 地母神 / 先史時代 / 人類宗教 / Anthropomorphism / 旧石器時代 / 新石器時代 / 女性裸体土偶 / 宗教史 / 女性土偶 / 人型神観 / 母権性 / 女神像 / 神話学 / グレートマザー / 母系社会 |
研究開始時の研究の概要 |
研究目的でも述べているように、本研究課題は人類学、宗教学、考古学などの分野における説明概念として、従来、無批判かつ不用意に使用されてきた「地母神」概念の再検討におかれる。その際、研究分担者は人類学、神話学、考古学、心理学といった研究分野ごとに先行研究を再検討し、資料を収集・整理・分析するとともに、それらの情報を互いに共有し、相互批判を重ね、綜合的に研究を進める。とくに、考古学班は研究課題に関わる考古資料の分析を、神話学班は「地母神」に関わる神話の再検証をとおして、研究課題を実証的に進めてゆく。最終的には、これらの研究成果に基づき、「地母神」概念の有効性の可否を明確にする。
|
研究成果の概要 |
長らく「地母神」信仰は人類最古の宗教形態とみなされてきた。乳房や女性性器を強調した先史時代の裸体女性彫刻・土偶がその証拠されてきた。だが、それらすべては高さ10cmm前後であり、片手に入るさいずであり、祀る対象とは考えにくい。加えて、人類最古の文明である古代メソポタミアにおいて、神が人間の姿で表彰されはじめるのは、前2800年ころであり、それ以前に神が人間の姿で表彰されることはない。 以上の事実は、「地母神」信仰の根拠がじつに薄弱であったことを示している。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
上に述べたように、19世紀中葉以来、人類最古の宗教形態とみなされてきた「地母神」信仰は、その証拠なるものが正しい解釈に基づいていないことが明らかになった。したがって、「地母神」概念の意義は再考されねばならず、それをもって人類宗教史ひいては精神史を語ることは適切ではない。その点を公けにしてゆくことに学術的意義があると認められる。
|