研究課題/領域番号 |
20H01198
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
松居 竜五 龍谷大学, 国際学部, 教授 (40238952)
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研究分担者 |
志村 真幸 京都外国語短期大学, キャリア英語科, 非常勤講師 (00625204)
平川 恵実子 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (30881768)
橋爪 博幸 桐生大学短期大学部, その他部局等, 准教授(移行) (40412978)
辻 晶子 大阪経済大学, 経営学部, 講師 (40825428)
唐澤 太輔 秋田公立美術大学, 大学院, 准教授 (90609017)
小田 龍哉 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (90821744)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | 博物学 / 民俗学 / 人類学 / 生態学 / 宗教学 / 抜書 / イギリス / 紀伊半島 / 仏教 / 自然保護 / エコロジー / 異文化体験 / データベース / 説話学 / 生態系 / デジタル画像 |
研究開始時の研究の概要 |
南方熊楠は、幼少時から和漢の博物学を身につけた後、アメリカとイギリスで研究を進め、科学誌の『ネイチャー』、フォークロア誌の『ノーツ・アンド・クエリーズ』に多くの英文論考を掲載する等の活動をおこなった。33 歳で帰国した後は、「南方マンダラ」と呼ばれる独自の世界観と紀伊半島の生物の悉皆調査に基づいて生態系の保全運動を展開した。熊楠の活動は、従来、根拠のない逸話やイメージのみによって語られることが多かったが、近年は急速に資料調査が進みつつある。本研究は、一次資料をデジタル画像化し、適宜翻刻やデータベース化をおこなうことで、熊楠の知的活動を、実証的に読み解いていくことを目的としている。
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研究成果の概要 |
南方熊楠資料に関するデジタル画像とデータベースを作成し、それらに基づいた研究をおこなった。このうち日記に関しては、これまで東京・関西・田辺で別個におこなってきた翻字作業に関する連絡協議会を立ち上げ、前年度の統合的なデータ共有と今後の刊行の道筋をつけることができた。書簡・来簡に関しては、土宜法龍・柳田国男・岩田準一関連のデータ整備や大英博物館での新たな英文書簡の発見などがあり、研究上の進展が見られた。初期ノートや「ロンドン抜書」「田辺抜書」に関しても分析を進めている。「腹稿」と呼ばれる独特のメモに関しての詳細な解読が進んだことで、「十二支考」などの著作のより広く深い分析が可能になった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
南方熊楠の思想は、東洋と西洋の文献の総合的な読解に基づくものであり、人文学と自然科学を統合している点でも興味深いものである。今回の研究は、その厖大な情報量からこれまでは漠然と語られてきた熊楠の思想の細部から全体像までを実証的に明確化する試みである。この作業に基づいて、熊楠の思想の意義をさまざまな学問分野に還元するとともに、一般にわかりやすく解説することが可能となった。その成果は、南方熊楠顕彰館における子ども向けを含むさまざまな展観や、一般向け書籍の刊行としても活かされている。
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