研究課題/領域番号 |
20H01222
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 日本映画大学 |
研究代表者 |
アン ニ 日本映画大学, 映画学部, 特任教授 (70509140)
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研究分担者 |
五味渕 典嗣 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10433707)
張 新民 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 教授 (40326244)
志賀 賢子 (川崎賢子) 立教大学, 文学部, 特定課題研究員 (40628046)
松岡 昌和 大月短期大学, 経済科, 助教 (70769380)
渡辺 直紀 武蔵大学, 人文学部, 教授 (80409367)
吉田 則昭 立正大学, 人文科学研究所, 研究員 (90823609)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 貫戦期 / アダプテーション / 芸術分野の相互影響 / 冷戦と日中映画の交渉 / 映画における戦争記憶 / 越境 / 人的交渉 / 東アジア、日本とロシア / 断絶と連続 / プロパガンダ、映画工作 / メロドラマ / 製作と受容 / 人的交流 / 映画と他分野との関連性 / 東アジア、東南アジア / プロパガンダ / 大衆メディア / 映画交渉 / 越境と移動 / アジア / 受容と再受容 |
研究開始時の研究の概要 |
メンバーたちのこれまでの研究成果を踏まえつつ、日中映画をより広いアジア空間において、その製作、配給、受容と評価の実態を捉える。と同時に日本の敗戦という歴史の転換点に跨って、戦争下の日中映画が戦後および冷戦期にまったく影響力を失ったのではなく、むしろ表面上、戦時とうって変わった様相を呈しているものの、実は戦時と地続きの部分が多かった。このような重複、立体的、奥行きのある製作、配給、受容と再受容の実態を資料と映画テクストに即して解明し、個別研究の深化と合わせて、学際的な研究視点によって本研究を深め、研究ネットワークの構築を目指したい。
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研究実績の概要 |
コロナによる行動制限が始まり三年目となった本年度では、本研究グループはオンラインによる学術交流を生かしつつ、感染者減少の時期を逃さずに、積極的に対面研究会や研究用の映画上映会を行った。詳細は下記の通りである。 対面研究会:2022年10月8日 ゲスト:明治学院大学教授ローランド・ドメニーグ氏、報告題目は「幻のユダヤ人難民映画『祖国を追われて』にまつわる問題点」である。早稲田大学教育・総合科学学術院にて 本研究の映画特別上映会を二回開催:(1)2022年7月30日(映画『香港攻略 英国崩るるの日』、『亡命記』、『孫悟空 前後編』と『森は生きている』を鑑賞)国立映画アーカイブにて(2)2023年2月25日(映画『スパイ・ゾルゲ 真珠湾前夜』、『北の三人』、『阿片戦争』と『海ッ子山ッ子』を鑑賞)国立映画アーカイブにて また本研究のテーマに関連する講座と研究発表は各メンバーがオンラインで実施した。一例として挙げられるのは、本研究と清華大学日本研究センター共催の日中女性学者による日中文化芸術史連続講座だった。全部で五回にわたってオンライン形式で行った(本研究メンバーからは、アンニと川崎賢子はそれぞれ「戦後日中映画交渉試論ー歴史・表象・言説」(10月26日)、「李香蘭の越境を再読する」(11月24日)と題する講演を行ったが、いずれも参加者は100名を超えた)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内範囲内での研究活動は2022年度から徐々に再開されたが、本研究が最初に想定した海外との研究交流、例えば、ロシアでの資料調査と先方の研究者との交流活動については、初年度ではロシア研究者を招いた研究会を一回開催したものの、戦争状況が悪化したため、その他の進展はほぼ不可能になった。 とはいえ、各メンバーはみずから目指そうとした研究を確実に進展しており、それぞれ積極的に研究成果も次々と発表している。 ということで、おおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策は下記の通りである。(1)最終年度となる2023年度では、貫戦期における日中映画の越境と協働という題目に従い、代表者はこれまでの研究期間の共同研究成果をまとめ、また各分担者に昨年度でそれぞれ行ってきた本研究に関わる自分の研究内容を年度初のグループ研究会で報告してもらう。メンバーたちによるディスカッションを通して、本研究におけるそれぞれの分担内容の研究課題での位置づけを引き続き確認してもらう。このような議論を経て、一年目で目指した方向性に合わせて再調整しつつ、メンバーで問題意識や方法論を共有する。 (2)コロナ感染状況次第だが、オンラインか対面によって研究会を開催し、国内における資料調査を行う。この分野か近隣分野で研究を行っている海外研究者の知見を聞き、国際的な研究グループの構築のために、海外ゲストを招くワークショップをオンラインか対面で開催する。 (3)最終年度の総括として、国際ワークショップかシンポジウムを海外で開催する(シンガポール、香港か台湾)。もし実現になれば、グループ全員の海外出張を考えている。 (4)昨年度と同様、メンバーたちのリクエストにより、国立映画アーカイブで本研究に関連する映画の特別試写会を二回開催する。 (5)他科研と共同で出版する中国語論集の編集を進め、年度末か遅くとも2024年での刊行を目指す。
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