研究課題/領域番号 |
20H01236
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
小峯 和明 立教大学, 名誉教授, 名誉教授 (70127827)
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研究分担者 |
鈴木 彰 立教大学, 文学部, 教授 (40287941)
染谷 智幸 茨城キリスト教大学, 文学部, 教授 (90316498)
河野 貴美子 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (20386569)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 異文化交流文学史 / 東アジア / 16世紀前後 / 幻想領域 / 資料学 |
研究開始時の研究の概要 |
〈異文化交流文学史〉とは、今日の国際化時代に応じて関心の高い多様な異文化との交流を通して生まれ、享受、再生された文学の総体を意味する。特に16世紀の大航海時代は、地球規模での文化交流が活発化し、アジアや日本が西洋文化と初めて接触する、近代の始発期として特筆される。〈異文化交流文学史〉は善隣友好に止まらず、倭寇や対外戦争のもたらした文学も含み、歴史実体に還元されない、架空・幻想の領域をも対象とする。16世紀を中心にその前後にも視野をひろげ、日本と東アジア各地域に即した基礎的な資料学から再構築し、身体芸や絵画表象なども併せてその全体像を究明することで、既存の文学史の再編をめざしたい。
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研究成果の概要 |
課題の全体を6項目に分類し、日本と東アジアの各地域別に一次資料と研究資料とに区分してリストを作成した。資料調査は長崎歴史博物館、南方熊楠顕彰館等々、海外は韓国の東国大学図書館、高麗大学図書館などで実施した。資料集としてリストの暫定版をアップし、年度別にニュースレターを発行した。国際会議は中国人民大学を拠点にワークショップを開催し、最終年度に立教大学で2日間ハイブリッド形式による国際シンポジウムを開催。内外の多彩なメンバーが集まり、視聴者は300人を越え、活発な議論が交わされた。韓国の資料調査に合わせてソウル大学、高麗大学で講演会を開催した。これらをもとに論文集を文学通信社より公刊の予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、近代化の始発期とみなせる16世紀前後の異文化交流の動態を文学史の基軸にすえることで、既存の文学史を再編成し、現在と未来にわたる国際化時代の文学・文化動向の一つの指針を提起することができた。従来の鎖国観に象徴される一国内の限定的文化史観では、もはや今日の国際化した学術界の潮流に対応することは難しい情勢にある。特に近隣の東アジアの〈漢字漢文文化圏〉を焦点とする異文化交流の文学史観こそが今後の動向に大きく関わるはずであり、その前提に歴史、宗教思想、美術など人文学総体の学際的な協同はもとより、東アジア各地域相互の学術交流や連携体制を確立した点でも、今後の範型を提示することができたと考える。
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