研究課題/領域番号 |
20H01260
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 釧路公立大学 |
研究代表者 |
永山 ゆかり 釧路公立大学, 経済学部, 准教授 (20419211)
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研究分担者 |
小野 智香子 北海学園大学, 工学部, 教授 (50466728)
長崎 郁 名古屋大学, 人文学研究科, 特任講師 (70401445)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | チュクチ・カムチャッカ諸語 / ユカギール語 / セリクープ語 / 記述言語学 / シベリア / シベリア先住民諸語 / 記述文法 / 方言研究 / シベリア先住民言語 / 古アジア諸語 / サモエード諸語 / 方言 / 危機言語 / 言語学 / シベリア先住民 / 基礎語彙 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではシベリア先住民言語のうち、コリヤーク語およびアリュートル語、ユカギール語、セリクープ語を研究対象とする。いずれの言語も、すべての方言を含めた母語話者数が数十人から数百人程度の消滅の危機に瀕した言語であり、また、いずれの言語も複数の地域的変種(方言、あるいは同系言語)をもつが、比較的詳細な記述がなされているのは標準語の基礎となった1ないし2方言だけで、方言差の実態は不明である。 本研究では、これらシベリアの消滅の危機に瀕した言語の方言および下位方言について、既刊・未刊の言語資料を集積して詳細な語彙データベースを構築することで、語彙レベルでの方言差の実態を解明することをめざす。
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研究実績の概要 |
本研究は、シベリア先住民言語であるコリヤーク語およびアリュートル語(チュクチ・カムチャッカ語族)、イテリメン語、ユカギール語、セリクープ語(サモエード諸語)の諸方言につき、①方言差の観点から見た既存資料の集積と整理、②言語研究に利用されていない資料の実態把握、③テキスト資料に基づく語彙資料の抽出をおこなうことで、語彙資料を集積して比較語彙データベースを構築し、それらをもとに各方言の特徴と語彙レベルでの方言差を明らかにすることをめざしている。 2021年度は、前年度に引き続き新型コロナウイルス感染症の拡大により、当初予定していた海外フィールド調査を実施することができなかった。したがって前年度と同様に母語話者やコミュニティメンバーと連絡をとりつつ、オンラインで作業を進めた。また、コミュニティメンバーの中からコンピューターによる作業が可能な新たな研究協力者を得て、アリュートル語の語彙カード、手書きのテキスト資料、過去に収集された音声資料の文字化等の作業を進め、語彙データベースの資料を拡充した。イテリメン語については前年度に引き続き、イテリメン語の会話・モノローグの書き起こしおよび形態素分析を行い、北部方言と南部方言の語彙的差異および借用語等について検討した。またイテリメン語北部方言の民話の英語訳を行い、公開準備を進めた。 このほか主に国内でできる資料分析に取り組み、資料を分析して得られた研究成果を国内外の学会での発表や、学術雑誌の論文として公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、フィールド調査を実施することができなかったため、進捗はやや遅れている。国内でできる作業を順次進めつつ、フィールド調査の代替として前年度までに整えた研究体制をさらに拡充し、母語話者やコミュニティメンバーと連携して研究を進めているが、資料刊行にはフィールド調査が必須であるため報告書の出版を延期した。また、国際学会開催も延期せざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
前年度までに整えたコミュニティメンバーの協力によるオンラインでの研究体制は、2021年度末に起こったロシアによるウクライナ侵攻の影響によりロシア在住の研究協力者への謝金送金ができなくなったことから、実施困難となる見込みである。研究協力者なしで研究を遂行することは不可能なので、海外フィールド調査をロシア以外の国で実施すべく調整を進めていく。またロシアの研究者が参加しやすいよう、国際学会を中央アジアで開催する方向で調整していく。
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