研究課題/領域番号 |
20H01268
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02080:英語学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
島田 雅晴 筑波大学, 人文社会系, 教授 (30254890)
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研究分担者 |
小野 雄一 筑波大学, 人文社会系, 教授 (70280352)
長野 明子 静岡県立大学, 国際関係学研究科, 教授 (90407883)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 形態統語論 / 語形成 / 併合 / ラベル付け / 名づけ / 等位複合語 / 生成文法 / 形態論 / 英語史 / 言語比較 / 等位構造 / 外在化 / 言語接触 |
研究開始時の研究の概要 |
英語では「becon and egg」というが、日本語では「ベーコンエッグ」となり、いわゆるdvandva型等位複合語と呼ばれる形式を持つことになる。つまり、日本語では「ベーコン&エッグ」、「ベーコンとエッグ」のように「&」や「と」といった等位接続をあらわす表現は用いない。本課題では、dvandva型等位複合語に着目して、ヒトが生得的に脳内にもつとされる言語間差異をもたらす仕組みを研究する。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、等位複合語を題材にして等位構造の構造構築について生成統語論の視点から検討することを主目的の一つとしている。令和3年度は「ラベル付け理論」に基づいて、「親子」、「手足」などのdvandva型の等位複合語がどのような構造を持っているかについて、一定の見方を提示した。 まず、等位複合語の構造を分析するヒントを得るために、例えば、John and Billのようにandで結ばれた等位句がラベル付け理論でどのように分析されるのかを見ることから始め、Chomsky (2013)をはじめとする先行研究の分析を精査した。そこで共通して問題となっていたのは、いわゆる、「XP-YP問題」である。これは、句と句を「併合」という操作で結合させて新たな句を生成した場合、その範疇をラベル付けの規則で決定することができない、というものである。John and Billが、Johnという名詞句とand Billという等位接続詞句が併合した結果生起した表現だとすれば、その範疇は決まらないことになる。そこで、多くの先行研究では、John and Billのような等位接続表現の場合、Johnかand Billのどちらかの句がラベル決定規則には不可視であると考え、残った句の範疇がそのまま等位接続表現の範疇になると考えている。Saito (2016)は、語や句をラベル決定規則に不可視なものとする要素を「反ラベル付け要素」と呼んでいるが、等位接続詞andが仮にそうだとすると、and Billはラベル付けに不可視になり、Johnが持つ名詞句という範疇がそのまま等位表現の範疇になると分析できる。等位複合語は語であるため「XP-YP問題」は「X-Y問題」となり、本研究では「親子」のような等位複合語もこのような観点から分析できることを指摘し、音形のない反ラベル付け要素を仮定することを提案した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
比較対照言語学的観点からの等位複合語の分類、英語史上での等位複合語の生起可能性の変遷、dvandva型等位複合語の形態統語構造について研究を進め、その成果を著書として公刊することができた。本課題研究で予定していた調査は一定程度行うことができていると考えられる。ただ、調査を進めていく中で、等位複合語の分類について再検討を要する課題や古英語および中英語における等位複合語の生起についてさらにデータを収集する必要性が生じた。それは、同時に、構造に関する分析も一部修正しなければならないことを意味している。新たな課題に取り組むことで、本研究の内容がさらに深化することが期待できる状況にあり、本研究はここまではおおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに得られた成果から新たな課題が明らかになったので、それらに取り組み、研究の完成度をあげることに専念する。等位複合語全般、また、その中の一つであるdvandva型等位複合語について言語間比較を行いながら、ラベル付け理論に基づく分析や分類を提示することができたが、一部再検討が必要な部分もわかっている。特に、Co-synonymic型といわれるdvandva複合語の位置づけについて多重具現という観点から再考が必要である。また、等位複合語の事例とされるものが古英語および中英語の資料から多く収集することができたが、その分類はまだ完了しておらず、調査を継続する必要がある。さらに、形態統語構造の検討についていえば、デ型等位複合語と名付けた複合語については分析が不十分であるので、さらに日英語比較を進め、理論の検証と修正を行っていく。
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