研究課題/領域番号 |
20H01271
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 東京都立大学 (2023) 金沢大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
松田 真希子 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (10361932)
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研究分担者 |
Daniel Long 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (00247884)
林 良子 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (20347785)
坂本 光代 上智大学, 外国語学部, 教授 (30439335)
岩崎 典子 南山大学, 人文学部, 教授 (30836028)
櫻井 千穂 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 准教授 (40723250)
岡田 浩樹 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (90299058)
中井 精一 同志社女子大学, 表象文化学部, 教授 (90303198)
福島 青史 早稲田大学, 国際学術院(日本語教育研究科), 教授 (90823724)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | JHL / 継承語 / アイデンティティ / translanguaging / 言語教育 / 南米日系社会 / CLD児 / 海外継承語 / 複言語・複文化 / 言語政策 / 日系移民 / 南米 / 日系 / CLD / コーパス / 複言語能力 / 移民 / バイリンガル / 日系社会 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は南米を中心とした海外の日本語継承語話者コーパス(JHLコーパス)を構築し、応用研究を行うものである。 具体的には海外継承語話者を対象に(1)家庭、学校、コミュニティの 3 領域で自然会話(動画データ)を収集し、(2)世界各国の継承語児童と教師との複言語対話データを収集・公開する。そして、JHL コーパス((1)+(2))を用いて言語使用や複言語能力に関する分析を行い、日本語教育、マルチリンガル教育等の領域への貢献を目指す。特にJHLコーパスによってJSLやJFLでの研究成果と合わせて分析できる環境を提供することで、日本語につながる CLD 児のことばの教育・研究への応用を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究課題は南米を中心とした海外の日本語継承語話者コーパス(Japanese as a Heritage Language/ JHLコーパス)を構築し、応用研究を行うものである。2020年度はJHLコーパス構築のため、主に二つの事業を推進した。一つ目は南米にルーツをもつ日系人3世・4世世代を中心に100名のライフストーリーを聞くイベントをオンラインで実施し、それを録画した。特に幼少期の空間の移動、言語教育の移動の体験を語ってもらった。同時に南米日本語教師や年少者に対してオンラインで勉強会や対話的活動を実施し、南米日本語継承語話者の言語観、学習観に関する調査研究を行うことができた。もう一つは国際交流基金サンパウロ日本文化センターとの共同プロジェクトとして南米の年少者の複言語能力を調査し、録音録画データを文字化し、コーパスとして公開した。124名(ウルグアイ4人、コロンビア9人、チリ6人、ブラジル47人、パラグアイ58人)に対して、1対1の対面で約30分のインタビューを実施し、データを収集した。インタビューツールには、CLD児の言語能力評価ツールである「外国人児童生徒のためのJSL対話型アセスメントDLA(以下DLA)」(文部科学省 2014)の〈はじめの一歩〉と〈話す〉および、「Oral Proficiency Assessment for Bilingual Children(以下OBC)」(カナダ日本語教育振興会2000)のタスクを用いた。また、実施にあたり、単言語での課題遂行でなく自身が持っている言語資源全てを活用しながら(Translanguaging)課題遂行を行なった。文字化テキストだけでなくELANを用いてストラテジーについてもアノテーション情報を付与した。今後はこれらのコーパスを用いた分析を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス流行のため、南米への現地調査を行うことができなかったが、オンライン環境でできる調査を推進することができた。特にCLD-Onlineというコミュニティを構築し、定期的に南米につながる複言語話者と毎週交流を行うことができたことで様々な調査やデータ収集を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
現地調査を行うと同時に、CLD児の南米におけるコーパス構築を進める。既に収集したライフストーリー100名分の動画公開のためポルトガル語とスペイン語の字幕付与作業を進める。これまでに得たデータの分析を進め、成果を公開する。2022年8月にこれまでの研究成果をまとめた書籍を刊行する。2023年8月はシドニーで国際シンポジウムを共催し、海外日系人の複言語状況と継承語教育の研究について成果発表を行う。
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