研究課題/領域番号 |
20H01273
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
七木田 敦 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (60252821)
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研究分担者 |
真鍋 健 千葉大学, 教育学部, 准教授 (10611197)
松井 剛太 香川大学, 教育学部, 准教授 (50432703)
岡花 祈一郎 琉球大学, 教育学部, 准教授 (50512555)
大野 歩 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (60610912)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 幼児教育 / 外国に繋がる子ども / 日本語教育 / 子育て支援 / 認定こども園 / 多文化保育 / 海外にルーツのある子ども / 海外の幼児教育 / タブレットコミュニケーション / 外国にルーツのある幼児 / 海外にルーツを持つ家庭 / 言語指導 / 家庭支援 / 日本語 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は日本に住んでいる外国籍や外国にルーツを持つ乳幼児・家庭の支援モデルの実施と保護者の変容を目的とし、タブレットを使った相互コミュニケーションプログラムを開発し試作を経て作成したカリキュラムを実施する。その効果の検証を行ったうえで支援モデルを提示する。ドイツにおいては、幼児期でのドイツ語促進教育が、保護者の良質な言語獲得と職業教育を確保し、労働市場でのチャンスを高める、とされる。本研究で提示された支援モデルを実施することで、就学前保育施設と家庭を繋ぐことで、保護者の就労や家庭生活の変容までフォロ-することを目指す。
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研究実績の概要 |
申請者が実施した「発達障害幼児の学びの機会を埋め込むためのアプローチの開発と効果の検証」(基盤(C) 2012~2014年)の研究において、外国にルーツのある子どもや外国籍幼児の場合、日本語による言語コミュニケーション応答能力の低さ、家庭の子育て習慣の違いなどから「発達に課題がある」と見なされるケースが少なくないことを明らかになっている。多文化共生保育においてはまだ保育方法が確立されていないために、外国人であるがゆえの配慮をされず、ただ日本人と同じ保育実践いわゆる「日本人化」の保育を押しつけていることも問題となっている。 これらの先行研究ではまださまざまな問題の提起に留まっており、具体的な改善策が示されていない。そこで今年度は、保育実践場面において、日本語の言語コミュニケーションの不全に代表される諸問題、および文化の違いから生じる食習慣や生活習慣に関わる問題への対応について、具体的に明らかにすることを目的に観察・検証を行った。具体的には東広島市内の1幼稚園、1保育所にて試行的に実施した。特に近年課題となっている外国にルーツを持つ幼児でありながら、園から「指導に配慮を要する」と見なされる幼児の背景を精査し、その対応のために異文化理解を含んだ支援可能なプログラム立案まで視野に入れた。また同様なプログラムを先行的に実施しているニュージーランド・ダニーデン市の就学前保育施設の取り組みを調査を予定していたが、コロナ禍のため実施はできなかった。日本国内の調査の結果から、多文化理解が進んだ現在においても、依然として大きな課題が残されたままのなか、就学前保育施設がコミュニケーション指導や日本の生活習慣を、タブレットを通じた学習を行うことで新しい多文化保育の実践的な展開が必要であることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により、保育実践の観察が予定通り進まなかった。
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今後の研究の推進方策 |
十分に行われなかった研究観察を、対象園を増やし実施する。具体的には、保育実践場面において、日本語の言語コミュニケーションの不全に代表される諸問題、および文化の違いから生じる食習慣や生活習慣に関わる問題への対応について、明らかにすることを目的に観察・検証を行う。特に近年課題となっている外国にルーツを持つ幼児でありながら、園から「指導に配慮を要する」と見なされる幼児の背景を精査し、その対応のために異文化理解を含んだ支援可能なプログラム立案まで視野に入れる。ここから多文化理解が進んだ現在においても、依然として大きな課題が残されたままのなか、就学前保育施設がコミュニケーション指導や日本の生活習慣を、タブレットを通じた学習を行うことで新しい多文化保育の実践的な展開が必要であることを述べる。
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