研究課題/領域番号 |
20H01275
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
島田 めぐみ 日本大学, 大学院総合社会情報研究科, 教授 (50302906)
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研究分担者 |
孫 媛 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 准教授 (00249939)
保坂 敏子 日本大学, 大学院総合社会情報研究科, 教授 (00409137)
谷部 弘子 東京学芸大学, 学内共同利用施設等, 名誉教授 (30227045)
澁川 晶 国際基督教大学, 教養学部, インストラクター (60322327)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 認知診断テスト / 聴解テスト / 日本語教育 / CEFR / オンラインテスト / 日本語 / 日本語聴解テスト / 認知診断モデル / Webテストシステム / フィードバック / Webテスト / アトリビュート |
研究開始時の研究の概要 |
認知診断テストとは,学習者と指導者に有益なフィードバックを与え,今後の学習の指針を提供することができるテストである。本研究では,CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)のB1レベルとA2レベルの日本語聴解認知診断テストを開発した上で,フィードバック・練習機能をあわせたWebテストシステムを構築し,公開する。そのために,必要な認知的技能(アトリビュート)を特定し,それらを測定するためのテストを開発した上で,学習者に対してテストを実施し,データ分析を行う。このような認知診断Webテストシステムの開発は言語テスト分野で初めての研究であり,国内外で広く影響を与えるものとなる。
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研究実績の概要 |
CEFR B1レベルの日本語聴解認知診断テスト(CD-JAT B1)について,次のとおり研究を行なった。①妥当性検証の一環として,CEFRレベルに詳しい研究者を対象にテスト項目のレベル設定について聞き取り調査を行った。②国内9機関,海外7機関においてオンラインテストを実施し,データ収集を行った(427名)。③②で得たデータについて分析を行った。 ④診断結果のフィードバックの方法と練習問題の検討を行った。⑤フィードバック機能を備えたWebテストシステムのプロトコルを構築した。 CEFR A2レベル日本語聴解認知診断テスト(CD-JAT A2)について,予備テストの開発・実施を次の手順で行なった。①問題項目を検討し,オンラインテストを完成させた。②モンゴルの教育機関において受験者の解答過程調査を行った(オンライン実施)。③②の結果を分析し,テスト項目の修正を行った。④ベトナムの教育機関にて予備調査を行った(140名)。⑤④の結果について分析を行い,テスト項目の修正を行った。 聴解テストにおいて,適切な選択枝の提示方法を検討するための研究デザインを行い,マレーシアと中国の教育機関においてデータ収集を行った。今後さらにデータ収集を行い,分析を行う予定である。 その他,オンラインテストについて,昨年度までに作成した英語,中国語(簡体字),タイ語,モンゴル語,ベトナム語,マレー語の翻訳をシステムに搭載させた。さらに,スペイン語,フランス語,インドネシア語,中国(繁体字),韓国語,ロシア語の翻訳を行った。これらのシステムへの搭載は次年度に行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度は,B1テストに関して,①解答データ収集・分析,②妥当性検証,③フィードバックの方法の検討,④すでに実施した予備調査(回顧的口頭報告)の結果の公表,A2レベルのテストに関して,⑤予備テストのオンライン化,⑥予備調査の実施,⑦妥当性検証を行う予定であった。 B1テストに関して,①②④については,予定通り進んだ。③については,フィードバックの方法と内容は完成したが,練習問題の検討が一部にとどまった。 A2テストに関して,⑤⑥については,予定通り進んだ。⑦については,妥当性検証として回顧的口頭報告の調査は実施したが,専門家(教員)に対する聞き取り調査については実施できなかった。 ③と⑦の一部が遅れた理由は,次年度以降に実施する予定であったWebテストシステムのプロトコル構築を行なったこと,新たな課題として選択枝の提示方法の検討と調査を行なったことによる。Webテストシステムのプロトコル構築を前倒しで行ったのは,フィードバック機能も含めた形で実証検証を行う必要があると判断し,プロトコルの構築を早めることにしたためである。選択枝の提示方法の検討と調査を行ったのは,A2テストの選択枝の提示方法として文字提示が適切かどうかを検証する必要があると判断したためである。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は,2021年度中に完成できなかったB1テスト用の練習問題を完成させ,フィードバックと練習問題を備えたWebテストシステムを完成させる。また,フィードバックの文言について複数の言語に訳し,実装する。その後,実証実験を行う。 A2テストについては,専門家への聞き取り調査を行なった上で,修正版テスト(Ver.3)を完成させ,データ収集を行い,認知診断モデルによる分析を行う。 適切な選択枝提示形式を明らかにするための調査に関しては,中国にて追加データの収集を行い,分析を行う。その結果,必要であれば,A2テストの選択枝提示の方法を修正する。 2023年度は,A2テストについてのフィードバックと練習問題を検討し,Webテストシステムに搭載し,実証研究を行う。その上で,B1テストとA2テストのWebテストシステムを公開する。
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