研究課題/領域番号 |
20H01286
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
佐々木 みゆき 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (60241147)
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研究分担者 |
鎌倉 義士 愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (80613976)
水本 篤 関西大学, 外国語学部, 教授 (80454768)
秋山 友香 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (40825072)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
15,990千円 (直接経費: 12,300千円、間接経費: 3,690千円)
2022年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 第3言語留学 / 留学のライティングへの効果 / 留学の長期的効果 / 多言語主義 / 生きる力 / 第3言語留学 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、第2、第3の言語を学ぶ留学が大衆化し、留学の効果を検証する研究も増えてきた。特に、多言語社会であるEUでは、留学による第3言語への影響を調査した研究も多い。しかし、多言語主義(言語は「資源」であり、人は知り得た全ての言語を目的に応じて最も効果的に使う)に立った第1、第2、第3言語全ての長期的変化と相互の影響を調査した研究は少ない。特に書き言葉を対象とした研究は、皆無である。本研究は、日本人学習者を対象とし、第1、第2、第3言語の書き言葉へ相互影響だけではなく、国際的指向性や職業選択への影響を長期的かつ大規模に調査する、国内外に類を見ない試みである。
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研究実績の概要 |
海外で一定期間を過ごす「留学」は近年急速に大衆化してきた。しかし、その効果の研究の大半は、話し言葉の発達への影響の量的研究に集中しており、IT勃興とともに重要度を増してきた「書く力」への影響は、筆者らの研究を除いて国内外にほとんどない。又、筆者らの研究においても、動機づけや書くプロセスへの影響にのみ焦点をあてており、異文化共生力への影響や、多言語主義アプローチで対象となる第3言語能力への影響は調査対象としていなかった。本研究では、このような点を背景に、3年間で次の4つの学術的な問いに取り組む予定である。 (1)第1、第2、第3言語ライティング力は留学前後でどのように変化し、相互に影響を与えるか。 (1)言語以外の能力や資質は、留学前後でどのように変化し、相互に影響を与えるか。 (3)目標言語である第3言語ライティング力の向上に最も影響するものは何か。 (4)当該の留学は、参与者の将来にどのような影響を持つか。
2021年度は、(1)から(4)の目的に答えるため、対象参与者が大学1年後半(2021年11月)の中国語圏留学前と、留学し帰国した直後(2022年9月ごろ予定)に関連データを収集することを計画していたが、新型コロナウィルスの世界的な蔓延のため、対象となる大学が留学制度自体を2021年同様、再度キャンセルしたため、データ収集ができなかった。 そのため、主に2019年度に本研究と似た参与者160名から収集した留学前データの結果を使い、Bedfordshire大学のFumiyo Nakatsuhara博士に依頼して、対象となる日英中の作文能力を測定する信頼性と妥当性の高い測定尺度を開発していただき、それを基に、160名の作文得点を算出し、他のアンケート結果も出すことで、留学前の3国語の作文力が、どんな個人差に最も影響を受けていたかが分析できる道筋をつけることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度は、新型コロナウィルスの世界的な蔓延のため、対象となる大学が留学制度自体をキャンセルしたため、留学の効果を調査するためのデータ収集はできなかった。 そのため、2021年は、「研究実績の概要」に記したように、主に2019年度に収集した試行実験のデータを使い、本実験で最も中心となる変数である日英中それぞれを測定する3つの尺度(rating scales)を、言語評価論の権威であるBedfordshire大学のFumiyo Nakatsuhara博士に依頼して、それぞれのジャンル(意見文)と言語にふさわしい尺度を開発することができた。このため、翌年度の留学の効果を正確に測定するための準備を十分に整えることができたが、本来収集すべき留学前後のデータを収集することができなかったため、留学の効果を分析できず、それについて考察することもできなかった。
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今後の研究の推進方策 |
「研究実績の概要」で記したように、新型コロナウィルスの世界的な蔓延のため、データ収集をすることができず、具体的な成果を出すことができなかったが、本実験で使う最も中心となる変数を信頼性と妥当性のある形で測定できる測定尺度を日英中の3カ国語それぞれで開発できたのは、収穫だった。長い時間をかけて、本研究が対象とする意見文のジャンル向けの尺度を開発し、3つの言語全てに2人ずつの信頼できる測定者に測定してもらい、開発した尺度が高い信頼性を得られることがわかり、4つの観点(説得性、一貫性、言語知識、対象認識)全てに詳細な説明をつけることができた。
2022年度以降の主な課題は、以下の通りである。 1、当初1年目から予定していた対象となる参与者の4ヶ月の中国語圏留学前後のデータ採取(量的データと質的データ) 2、2のデータを分析し、留学の分析し、4つのリサーチクェスチョンに答える
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