研究課題/領域番号 |
20H01294
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
深谷 圭助 中部大学, 現代教育学部, 教授 (10425027)
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研究分担者 |
吉川 龍生 慶應義塾大学, 経済学部(日吉), 教授 (30613369)
関山 健治 中部大学, 人間力創成教育院, 准教授 (40331186)
王 林鋒 大阪教育大学, 連合教職実践研究科, 准教授 (70806322)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
13,390千円 (直接経費: 10,300千円、間接経費: 3,090千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | 外国語教育 / 複言語教育 / 英語教育 / 中国語教育 / 国際比較教育 / 辞書引き学習 / 欧州共通言語参照枠 / 複文化教育 / イギリスにおける言語教育 / シンガポールにおける言語教育 / フランス語教育 / 多言語教育 / 共通学習方略モデル / 欧州言語共通参照枠 / 第二言語教育 / 第三言語教育 / 中学校英語教育 / 高等学校中国語教育 / 複言語学習 / 学習方略モデル / 日本語教育 |
研究開始時の研究の概要 |
小学校外国語教育が日本で本格的に始まった。一方で言語学習に対する動機づけや学習方略の問題は課題として残されたままである。本研究は、複言語学習において国や言語を超えた言語間共通学習方略モデルとして期待される「辞書引き学習」に期待される動機づけと学習方略の有効性について、国際比較教育実践を通して明らかにすることを目的とする。具体的には、①日本、イギリス、シンガポールの学校においてJBモデルを導入し、②第一言語学習、第二言語学習、第三言語学習の実践からデータ収集を行い、③データ分析を通して、JBモデルの動機付けと方略の有効性について明らかにし、④汎用的言語間共通学習方略モデルを確立することを目指す。
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研究実績の概要 |
研究実績の概要としては、「海外の研究協力校(シンガポール及びイギリス)における汎用的言語学習方略モデルに関する研究実践、効果検証に関する調査」をすすめた。本研究は、日本国内外の学校現場(幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学)における実験により実行される計画であった。しかしながら、新型コロナ感染症の世界的流行により、2020(令和2)年度、2021(令和3)年度において、現地校の訪問自粛要請や海外出張の制限により、海外における研究計画が滞ることとなった。2022(令和4)年9月にようやく海外における学校における実験にとりかかることができ、イギリスの研究協力校へ訪問し、研究打ち合わせ、導入授業を実施し、その後、凡そ半年後の2023(令和5)年2月にシンガポールの研究協力校、2023(令和5)年3月にイギリスの研究協力校を訪問し、研究計画打ち合わせをした。シンガポールでは、従来から初等教育段階で辞書引き学習を実践しているMadrasah Irsyad Zuhri Al-Islamiahにおける第一言語(英語)辞書引き学習研究実践が始まった。イギリスでは、初等教育段階で辞書引き学習を実践しているCastlemorton CE小学校のおける第一言語(英語)辞書引き学習実践と、第二言語(仏語)辞書引き学習実践について研究実践を行い。また、イギリスの中等教育学校Altrincam Grammar School for boysにおける第二言語(中国語)教育における辞書引き学習研究実践を行った。いずれの学校においても、学校種の教育課程や授業スタイル、授業文化、教員文化において、本研究における汎用的言語学習方略モデルとしての「辞書引き学習」はそれぞれの文脈において機能したことが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに、イギリス・キャッスルモルトン(Castlemorton) CE小学校における第一言語教育としての英語辞書引き学習実践と第二言語教育としてのフランス語辞書引き学習実践、および、オルトリンカムグラマースクールフォーボーイズ(Altrincam Grammar School for boys)における第三言語教育としての中国語教育における辞書引き学習実践について導入・実践・検証を行ってきている。 また、シンガポール・マドラサ イルシャド ズーリ アルイスラミア(Madrasah Irsyad Zuhri Al-Islamiah)における第一言語教育としての英語辞書引き学習実践を行ってきている。同校では、第二言語教育としてのマレー語辞書引き学習、第三言語教育としてのアラビア語辞書引き学習について実践の準備をしているところである。 日本国内においては、新潟市立石山中学校、伊勢市立城田中学校、邑南町立羽須美中学校、同瑞穂中学校、同石見中学校、石垣市立石垣第二中学校における第二言語教育としての英語辞書引き学習について導入・実践・検証を行ってきている。また、札幌市立南月寒小学校では、第二言語教育としての英語辞書引き学習の導入・実践・検証を行ってきている。桑名市くわな幼稚園では、第一言語教育としての日本語辞書引き学習の導入・実践・検証を行ってきている。 このように、新型コロナウィルス感染症の世界的拡大により、2020(R2)年度は研究協力校における研究が進まず、2021(R3)年度になってようやく国内の研究協力校における研究実践がすすむようになった。そして、2022(R4)年度からシンガポールとイギリスにおける研究協力校における研究実践がすすむようになった。2023(R5)年度は、研究のまとめを行い、学術研究図書の刊行と国際シンポジウムの開催を目指す。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては以下の様に考えている。 2023(R5)年6月に吉川龍生、荻野友範、深谷圭助「高等学校での実践データに基づく中国語「辞書引き学習」導入パッケージ」中国語教育学会第21回全国大会(東海大学)の自由研究発表を行う。 2023(R5)年9月に深谷圭助、吉川龍生、王林鋒、関山健治、Sian Cafferkey、Janet Adsett「複言語・複文化主義に基づくイギリスの小学校におけるフランス語辞書引き学習の実践」(『現代教育学研究紀要』第17号、2023年、頁未定)が刊行される予定である。 また、2022(R4)年度に研究まとめの出版を行う予定であったが、未だ研究は遅れている。そこで、2023(R5)年度に研究図書の出版を行うこととし、2022(R4)年度予算は、2023(R5)年度へ繰り越すこととした。また、状況が整えば、研究図書の出版に合わせて、複言語・複文化主義に基づく汎用的言語学習方略モデルの開発に関する国際研究シンポジウム(日本、シンガポール、イギリス)を開催したいと考えている。
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