研究課題/領域番号 |
20H01324
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松井 太 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 教授 (10333709)
|
研究分担者 |
中村 淳 駒澤大学, 文学部, 教授 (70306918)
舩田 善之 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 准教授 (50404041)
四日市 康博 立教大学, 文学部, 准教授 (40404082)
高木 小苗 島根県立大学, 国際関係学部, 客員研究員 (70633361)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
|
キーワード | モンゴル帝国 / 古文書資料 / 中央アジア / 中国 / イラン |
研究開始時の研究の概要 |
モンゴル帝国支配下の多言語資料を,同時代資料としての古文書を軸として総合的に分析することで,言語文献学・歴史学双方の知見を学際的に架橋すると同時に,言語・地域分業を超えて総体的な視角からモンゴル帝国支配下のユーラシア世界史を理解しようとするものである。
|
研究実績の概要 |
本研究は,西暦13~14 世紀にユーラシア広域を支配下におさめたモンゴル帝国の支配層が発出したモンゴル語をはじめとする多言語の古文書資料群を利用して,モンゴル時代ユーラシア史の諸相を再構成することを目的とする。しかしながら,世界各国における新型コロナウイルス流行が収束せず,海外での各種の資料調査は不可能であったため,本年度は出版物や電子データとしての資料収集と,その分析を精緻化に注力した。 松井太は,ウイグル語社会経済文書の校訂を通じてモンゴル時代の東トルキスタンにおける税役制度の再構成を進めた。また諸種文書や石窟銘文にみえるウイグル語古地名を検討し,歴史地理的環境の把握につとめた。中村淳は、モンゴル語、チベット語、漢文で記された資料の収集を行ない、モンゴル帝国の国号についてその変遷を整理した。またチベット東部におけるモンゴル支配の実態について、調査を進めた。舩田善之は,モンゴル時代中国地域の石刻に刻まれた文書の収集・整理を行い,その体系的な検討を進めるとともに,重要な石刻文書について個別に分析を進め,その特徴と歴史的意義の解明を試みた。四日市康博は,モンゴル時代アルダビール文書に推された印鑑の形状・色彩・位置などを分類・整理し,印章ごとの基本的な機能や使用法とそれらが反映するモンゴル支配の特質を分析した。高木小苗は,アルダビール文書の14世紀の命令文書、16世紀編纂のアルダビール教団名祖廟の不動産目録とその後世の諸写本にもとづき、モンゴル支配下のイランの農村の所有権・徴税権の帰属の変遷を解明した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの流行が収束せず,海外の諸研究機関やフィールドワークが実施できていない。
|
今後の研究の推進方策 |
2020年前半以来の新型コロナウイルス流行がなお沈静化せず,海外での各種の資料調査の実施は本年度中にはなお困難と予想されるため,引き続き,刊行資料の収集とその分析に注力する。 また,世界各国の図書館・研究機関に所蔵されるモンゴル時代の各種文献資料やそのデジタル画像・マイクロフィルム資料などの収集も,可能な範囲で試みる。2021年度には,トルコ所蔵のいくつかの根本資料をデジタル画像で収集できたので,その分析を深化させる。 オンラインでの会合を可能にする環境が普及したことから,本研究班においても柔軟に研究会を設定して相互連絡を図り,各自の史料分析を精緻化させる。さらに,国際学会での発表・報告にも努力し,国際的な水準でのフィードバックを得ることに尽力する。
|