研究課題/領域番号 |
20H01331
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 公益財団法人東洋文庫 |
研究代表者 |
梅村 坦 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (90124289)
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研究分担者 |
新免 康 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (10235781)
田中 周 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任研究員 (10579072)
小沼 孝博 東北学院大学, 文学部, 教授 (30509378)
海野 典子 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究科), 講師(任期付) (30815759)
熊倉 潤 法政大学, 法学部, 教授 (60826105)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | 少数民族文化動態 / 現代ウイグル人 / 民族言語出版物 / 現代ウイグル語文献 / 現代カザフ語文献 / 新疆ウイグル自治区 / 出版文化 / 現代ウイグル語出版物 / 現代カザフ語出版物 / 書誌データベース |
研究開始時の研究の概要 |
中央ユーラシア地域のテュルク系諸民族住民の中で、相対的に人口の多いのはウイグル人、カザフ人である。彼らの近代以降における民族文化状況を辿ることを目的とする。 とくに、比較的研究蓄積の多い中華人民共和国の成立以降の時期に焦点をあてながら、新疆ウイグル自治区地域が経験した社会変動の中で、少数民族はどのような文化動態を呈してきたのか、その文化変容の実像にアプローチする。 主要な資料となるのは民族言語による出版物であるが、1980年代から東洋文庫や個人が収集したものを核として、研究利用のための環境を整備するとともに、日本に存在する現地出版物の公開利用態勢を整えるためにカタログ・データベースを構築する。
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研究実績の概要 |
今年度もコロナ禍の影響を受けざるを得ず、国内外の調査も文献調査に限定するような出張にとどめる事となった。すなわち、当初計画していた中国、とりわけ新疆ウイグル自治区への聞き取り調査は断念せざるをえない結果となっているが、オンライン研究会において文献蒐集・整理・カタログ化の計画を討議・確認して推進したほか、個別論文・著書の作成に研究成果を公表していく方針とした。 文献調査研究については、国内では京都大学人文科学研究所、国外では台湾、トルコにおけるウイグル語文献の所在調査、収集、読み込み研究をおこなった。 一方で、継続中の基礎的な文献資料のデータ化、カタログ化の進捗については一定の成果に達しつつある。研究分担者をはじめとする国内の研究者から現代ウイグル語を中心とする文献の寄贈、貸与を受け、逐次スキャニング、書誌情報登録をはじめとする整理作業を進めた結果、総合的データと多角的表記法を兼ね備えたカタログ登録の件数は200件を超えた。また同時に汎用形式表記の整備を進めている1000件余りの東洋文庫所蔵本についての成果は一部にとどまっている。さらに東洋文庫所蔵本の収集経緯についての調査もおこなった。 中国の清代史・民族史、国内政治史ならびに国際関係に関わる研究分担者の研究成果を生み出すことができた。 2020年度から開始したウイグル語・カザフ語を中心とする雑誌類のスキャンデータ化はほぼ終えて、データを本科研メンバーの間で共有し、各自の個別研究に資することができるように取り計らった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内の研究者から新たな文献資料提供を受けて、スキャニングによる文献保存と分類カタログ化については質量ともに充実度を高めた。 コロナ禍の制限がやや緩和されたことから可能となった出張により、たとえば京都大学、台北の国立政治大学などに所蔵の文献調査をおこなうことができた。またトルコにおけるウイグル語書籍を入手し、文化動態の一端を確認することができた。 雑誌類のスキャンデータはメンバーで共有し、個別研究への利用を可能とすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
現代新疆における少数民族の文化動態に関する包括的な議論のために、現地調査は欠かせない研究方法と見做して本課題をスタートさせたのであるが、主としてコロナの影響でそれはほぼ不可能となって最終年度を迎える。これを補う目的で来年度には、たとえ過去の経験であっても我々には未知の海外研究者の現地調査視点と研究実績に学ぶことが必要と考えた。そこで国際ワークショップを開催し、若手の在外研究者を招聘して最新の研究情報を相互交換し、本科研課題の本来の目的に接近したい。招聘研究者の数を確保するために、他の研究グループと共催することとする。 また東洋文庫の所蔵文献を活用しながら、ウイグル語を中心とする文献整理をさらに進め、最終的には周辺諸語文献の研究に関する国内情報整理のための研究会を開催し、取りまとめる方針である。
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