研究課題/領域番号 |
20H01339
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
山本 信太郎 神奈川大学, 国際日本学部, 教授 (10645344)
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研究分担者 |
後藤 はる美 東洋大学, 文学部, 准教授 (00540379)
小林 麻衣子 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 人文社会科学群, 教授 (20440109)
那須 敬 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (40338281)
井内 太郎 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 教授 (50193537)
岩井 淳 静岡大学, 人文社会科学部, 名誉教授 (70201944)
穴井 佑 大阪経済法科大学, 経済学部, 准教授 (70869403)
富田 理恵 東海学院大学, 人間関係学部, 准教授(移行) (80322543)
指 昭博 神戸市外国語大学, 外国学研究所, 名誉教授 (90196197)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | イギリス / ブリテン / 宗教改革 / プロテスタント国家 / ウェールズ / スコットランド / ピューリタン革命 / 船乗り / 聖俗二元論 / 教皇尊信罪 / イングランド / アイルランド / プロテスタント / カトリック |
研究開始時の研究の概要 |
イギリス宗教改革史研究は、修正論以降、伝統的信仰の残存を強調することが定説となり、かつてのようなプロテスタンティズムの単純な発展史として理解することは難しくなっている。他方、17世紀のイギリス革命史研究では、近年の「ブリテン複合国家」という枠組みでの考察においては、宗教の持つ役割を強調する傾向が強い。このように、近代社会の誕生を促した重要な出来事とされてきた宗教改革と革命であるが、従来のような一連の歴史過程として捉えることがで難しくなっている。本研究では、ブリテン島内での宗教改革が、革命期を含むその後の近代イギリスの歴史に及ぼした影響について、整合性のある歴史理解の再確立を行う。
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研究成果の概要 |
本研究の課題は、16世紀に端を発する「イギリス宗教改革」の過程と、その後近世・近代を通して形成され、現在に至っている「プロテスタント国家イギリス」のありようの関係を探ることであった。そのような課題を、山本はウェールズの視点から、小林と富田はスコットランドの視点から、岩井・那須・穴井は17世紀中葉のいわゆるピューリタン革命における宗教の観点から、後藤はカトリック・レキュザントの観点から、井内は近世の船乗りの信仰実践の観点からそれぞれ追求し、指がそれらを総合した「プロテスタント国家」神話の再検討を行い、課題の問いに答えうる一定の歴史像を構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって到達し得た成果は、研究課題の副題でもある「イギリスの統合と分離の淵源を探る」ことでもある。イギリスは21世紀に入ってEUからの離脱(ブレグジット)を経験したが、それは16世紀に普遍的なヨーロッパ・キリスト教世界からのイングランド国教会の離脱にも擬えられる。本研究は特異な政教関係を有する「プロテスタント国家イギリス」形成の歴史的なありようを明らかにすることによって、歴史学におけるイギリス宗教改革の意義を捉え直しただけでなく、ヨーロッパにおけるイギリス国家の位置づけを考え直す手がかりを提供することが出来たと考えられる。
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