研究課題/領域番号 |
20H01358
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館 |
研究代表者 |
古谷 毅 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部, 研究員 (40238697)
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研究分担者 |
平野 卓治 日本大学, 文理学部, 教授 (20822216)
犬木 努 大阪大谷大学, 文学部, 教授 (40270417)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 古墳時代 / 埴輪生産 / 前方後円墳 / 古代手工業論 / 古代日韓交渉史 / 形象埴輪 |
研究開始時の研究の概要 |
日本列島の埴輪と前方後円墳は、古代東アジア世界の中でも独自性が高い考古資料で、日本古代国家形成期の地域統合はこれらの築造と製作を共有することで拡大・進展したとみられる。近年、5世紀後半から6世紀に朝鮮半島西南部に分布する前方後円墳と埴輪の調査・研究が進展し、日韓の直接比較・分析が可能な研究段階を迎えている。 本研究は日韓の埴輪について、両地域の技術交流と生産組織を復原・検証して、技術の系譜と供与の視点からその歴史的意義を分析する。また、両者の文化的・政治的な特質を明らかにすると共に、従来の日韓考古学・日本古代史を再検討して、新たな古墳時代日韓交渉史を再構築する歴史像確立の基盤を形成する。
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研究成果の概要 |
埴輪は古墳で執行された葬送儀礼を立体的に反映した重要資料で、その分布拡大には埴輪製作工人の移動と首長間の政治的交渉が想定される。このような背景をもつ韓国出土埴輪の生産構造の解明は古代日韓交渉史の実像解明に不可欠な課題である。 本研究においては韓国の埴輪生産組織の構造分析を行うことで、埴輪製作技術の伝播とその背景にある文化的・政治的関係を解明する基礎的データを得ることができた。さらに、日本古代史の先行研究を検討し、その成果に位置づけながら古墳時代日韓交渉史を再構築するための基礎的分析を行うと共に、このような新たな歴史像の再構築を図る研究方法を確立する基盤を形成して研究成果の公開・発信を図った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的成果は、研究期間中のコロナ禍の影響による予算削減と期間縮減のため一部は限定的であるが、主に次のような点が挙げられる。まず、現地(韓国)で編成された埴輪生産組織(構造)を復原する基礎的な分析結果が得られた。一つは全羅南道・咸平郡金山里古墳出土例の日本列島(倭人)が関与したと想定される事例で、今一つは同・潭陽郡内洞里双墳出土例の在地工人のみで製作が行われたと想定される事例で複雑な生産の実態を考古学的に明らかにした。 社会的意義は、韓国内における複数の公開研究会でこのような研究成果を踏まえた考古学的な共通認識をもつことができ、新たな古代日韓交渉史像を再構築する足掛かりが得られた。
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