研究課題/領域番号 |
20H01361
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
加藤 真二 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, その他部局等, 副所長 (20261125)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | 細石刃石器群 / 技術伝播 / 中国北部 / ユーラシア東部 / 後期旧石器 / 中国華北地方 / 中国東北部 / 韓国 / 小石刃技術 / 中国 / 朝鮮半島 / 中央アジア / EUP / MUP / 文化伝播 / IUP / LUP |
研究開始時の研究の概要 |
後期旧石器時代に日本列島を含む東部ユーラシアに広く分布する細石刃技術・細石刃石器群は、中国北部地域(中国東北部・華北地域)を中心にその東西、南北に拡散したとする「中国北部地域クロスロード仮説」を検証し、3-1.2万年前の最終氷期下でのユーラシア東部の旧石器世界の形成過程を復元するため、中国各地の研究所や大学に出向き、内外の研究者とともに、その所蔵資料を詳細に観察し、関連資料の年代測定などの理化学的な分析をおこなう。
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研究実績の概要 |
2023年6月4日、東京都埋蔵文化財センターで開かれた日本旧石器学会第20回大会で「中国北部の後期旧石器時代前葉に関する近年の調査研究について」を報告した。ついで、中国銀川・オルドスで開かれた水洞溝・シャラオソゴル遺跡発見100周年記念国際会議(2023年8月11日~16日)に出席し、華北西部の旧石器遺跡・石器群を観察するとともに会議に出席した中国の旧石器研究者と情報交換を行った。会議中、「Salawusu Again」を報告した(8月15日)。また、8月19日~21日には、韓国順天で開催されたアジア旧石器協会韓国大会に研究協力者1名と参加し、韓国における旧石器・細石刃石器群研究の現状を確認することができた。 2024年1月30日~2月4日には、研究協力者2名とハルビン市に所在する中国黒龍江省文物考古研究所と長春市に所在する吉林省文物考古研究所を訪問し、両研究所が所蔵する細石刃石器群について、実測、写真撮影、デジタル顕微鏡による詳細観察などを実施するとともに、中国側研究者と中国細石刃研究の現状について討論を行い、最新の研究成果等を把握することができた。 このほか、細石刃技術の源流と考えられる後期旧石器前葉石器群(EUP)の小石刃技術の日本列島での展開を解明するため、広島県冠遺跡、長野県トリデロック遺跡で採取された炭化物試料について、加速器(AMS)を使った放射性炭素年代測定をおこなった。 本研究の最終年度になって、ようやく、中国・韓国に渡航し、資料観察や研究者との学術交流を行うことができた。これにより、新型コロナウイルス感染症の拡大により渡航できなかった期間において行われていた、各地での調査研究の成果の詳細を把握することができた。これにより、中国北部クロスロード仮説の検証を大きく進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
中国・韓国を訪問し、各地の細石刃石器群に関する最新の調査研究成果を把握できたうえ、日本の小石刃技術をもつ後期旧石器前葉石器群(EUP)の年代測定を行なうことができたことで、中国北部クロスロード仮説の検証を進めることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
これまで集積してきた中国北部を中心とする旧石器・細石刃石器群に関する調査研究成果を総合し、研究成果報告書を作成する。
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