研究課題/領域番号 |
20H01383
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03070:博物館学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館 |
研究代表者 |
和田 浩 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 課長 (60332136)
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研究分担者 |
川村 洋平 北海道大学, 工学研究院, 教授 (40361323)
小西 毅 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 技術支援本部地域技術支援部城東支所, 副主任研究員 (90463033)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 美術品 / 輸送 / 振動 / 加速度 / 蓄積疲労 / 博物館 / 文化財 / 保存科学 / 梱包 / 屏風 |
研究開始時の研究の概要 |
展覧会への出品を主とした積極的な美術品の活用が施策される現下において、活用に伴う輸送による美術品の劣化進行の抑制技術や管理基準の確立は急務の課題となっている。申請者らは輸送機関上で生じる振動に着目し、美術品を構成する素材が長期間振動を受け続けることで破損する危険性である蓄積疲労現象の存在を検証することに成功した。 本研究では、検証手法を確立した蓄積疲労について、素材ではなく輸送する個々の美術品の蓄積疲労予測システムの理論を構築する。美術品の多様性から、一般的物理学的手法ではなく、AI技術によって、レプリカ試験の結果を基に理論モデルを構築し、美術品の要素を入力することで個別の予測を実現する。
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研究成果の概要 |
脆弱な文化財の輸送環境に関する研究として、法隆寺金堂壁画を奈良国立博物館へ輸送する際の経路選定、振動計測、作業工程の最適化を総合的に検証した。特に屏風構造の文化財に注目し、木製骨組み下地の振動応答特性をレプリカを用いた加振試験で検証した。文化財の梱包に使用される綿の衝撃吸収特性を落下衝撃試験で調査し、学会で発表した。また、ハンドリフトを用いた博物館施設内輸送で生じる振動を計測し、電池を使わずに非接触で電力供給できる無線センサの有効性を実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究は、文化財の輸送における振動対策と最適な梱包方法を明らかにし、文化財保護のための具体的なガイドラインを提供した。特に、振動応答特性や衝撃吸収特性の詳細なデータを基に、より安全な輸送手法が確立された。無線センサの応用により、輸送中のモニタリングが容易になり、文化財の損傷リスクを低減する技術的革新ももたらした。これにより、文化遺産の保全と次世代への伝承に大きく貢献した。
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