研究課題/領域番号 |
20H01407
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
佐川 徹 慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (70613579)
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研究分担者 |
橋本 栄莉 立教大学, 文学部, 准教授 (00774770)
竹沢 尚一郎 国立民族学博物館, その他部局等, 名誉教授 (10183063)
早川 真悠 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 外来研究員 (20720361)
松本 尚之 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 教授 (80361054)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | 紛争 / 歴史 / 平和構築 / 民族間関係 / アフリカ / 民族 / 人の移動 / マイノリティ集団 / 歴史認識 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、北東/東/南部/西(英語圏と仏語圏)アフリカで長年調査を進めてきた5名の研究者が、それぞれの対象地域が紛争や現在の混乱した状況に至った経過を、植民地化以前にまでさかのぼりながら、長期的なパースペクティブのもとに明らかにしようとするものである。各研究者はこれまで対象国で調査研究を行っており、各自が蓄積したデータを持っている。それらのデータに対し、本研究を通して歴史的なデータを加えていくことで、各国の紛争発生にいたる過程を分析し記述する。その際にはとくに、①民族間関係、②人の移動、③マイノリティ集団の位置づけ、④歴史認識と紛争の関係に注意を払いながら研究を進める。
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研究実績の概要 |
2021年度は、文献調査と実地調査をとおして、2020年度に進めた研究をさらに深化させた。佐川は、東アフリカ牧畜社会における紛争と資源との関係について文献資料の解読をおこなうとともに、ガーナの都市部と農村部において先住者と移住者との間の食をめぐる葛藤に関する実地調査をおこなった。また、そのほかの分担者はいずれもそれぞれが対象とする各地域、つまり南スーダンとウガンダ、ジンバブエ、ナイジェリア、西アフリカの民族間関係やそれに関連した歴史意識に関して、さらなる検討を行った。 くわえて、メンバーの問題意識を共有し、また研究課題のパースペクティヴをさらに広げるためのオンライン研究会を、二回実施した。一度目の研究会では外部講師として、ウガンダとルワンダにおける紛争後の和解に着目した研究を続けてきた講師を招いて、紛争後社会の再建の困難と可能性について知見を深めた。とくに、紛争の歴史的背景と和解の可能性が大きく関連していることが、二名の発表から明らかになった。なお、この研究会は科研メンバー以外にも公開しておこない、約50名ほどの参加者を得た。また、二度目の研究会では分担者一名と外部講師一名が研究発表をおこなった。いずれも、北東アフリカと南部アフリカにおいて、歴史的に形成された葛藤を内部に抱える社会のなかで、歴史がいかに語られたり書き記されたりするのかに焦点をあてたものであり、歴史意識と民族間関係やエスノ・ナショナリズムの関係の分析に重要な示唆をもたらすものであった。 これらの調査・研究をとおして、民族間関係の動態とそこに植民地統治や独立後の政治経済変容がもたらす影響、そしてそれらをめぐる歴史意識の複雑なからまりあいが、次第に明確になってきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナ・ウィルスの感染拡大の影響によって、アフリカへの渡航ができない時期が続いたが、繰越を認めていただいたことで、現地調査も含めて、おおむね順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナ・ウィルスの感染拡大の影響によって、地域の民族間関係や紛争の背景を成す食料安全保障の状況にどのような影響がでているのかを、文献調査や実地調査をとおして明らかにしていく必要がある。
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