研究課題/領域番号 |
20H01416
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
|
研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
松本 尚子 上智大学, 法学部, 教授 (20301864)
|
研究分担者 |
中谷 惣 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 准教授 (10623390)
小林 繁子 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (20706288)
寺田 浩明 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (60114568)
林 真貴子 近畿大学, 法学部, 教授 (70294006)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
|
キーワード | 司法利用 / 伝統社会 / Infrajustice / 調停 / 裁判外紛争解決 / 西洋 / 東洋 / 比較法史 / infrajustice / 紛争解決 / 比較 / 法制史 / 刑事司法 / 東洋史 / 西洋史 / 紛争 / 請願 / 公証 |
研究開始時の研究の概要 |
東西の伝統社会における公的紛争解決の実証研究が進み、それぞれの固有性・多様性が具体的に検証されてきた今日において、この多様性を踏まえてなお有効な比較は可能か。本研究はこの課題に「住民による司法利用」という視座から取り組む。 住民の司法利用に焦点を当てた個別研究はまだ少ない。ましてや、その東西比較は未開拓に等しい。そこで、国内外の最先端にある個別研究をさらに展開し、利用者の紛争解決行動と公権力の施策をマクロ・ミクロ両面から比較分析する。 各地域・時代の最先端の研究から、中近世部門3名・近代部門2名の研究体制を組織し、加えてドイツと台湾の研究協力者3(中近世1・近代2)名の協力を仰ぐ。
|
研究成果の概要 |
本研究は、それぞれの司法制度の違いが現在よりもはるかに大きい諸々の伝統社会について、制度の違いだけでなく、住民がどのように・どれだけ制度を利用したか(これを「司法利用」と呼ぶ)を探求した。 国内外の研究者が集い、中世後期のイタリア自治都市、近世ドイツの魔女裁判、明治前期日本の勧解、植民地期台湾などについて、司法利用のさまざまな前提(信用経済・公証制度・土地権利関係など)の例を示した。また、これらの個別研究を基に、東西の紛争解決史の比較可能性を方法論的に議論した。 これらの研究成果については、2021年の西洋史学会・2022年の法制史学会での研究発表を土台に草稿をまとめ、公刊へのめどをつけた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
古典的な法制史研究は制度史が主流であり、そこでの紛争当事者は、制度の受け手として語られることが多かった。これに対して本事業は、伝統社会の住民を「制度利用者」として捉え直し、彼らの能動的な司法利用行動を統計・事例内容分析により実証的に検証した。また、近年の請願研究やinfrajustice研究などの成果を踏まえて上記の実証研究を理論分析し、従来の制度比較とは異なる新しい東西比較方法論の糸口を示した。 社会的な意義としては、紛争解決史に新たな史料発掘を促し、日常的紛争解決像をより多彩に可視化することができた。法社会学の紛争研究に歴史サイドから材料を提供するという意義も有する。
|