研究課題/領域番号 |
20H01422
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
興津 征雄 神戸大学, 法学研究科, 教授 (10403213)
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研究分担者 |
近藤 圭介 京都大学, 法学研究科, 准教授 (00612392)
リミヌッチ ミケーラ (RIMINUCCI Michela) 神戸大学, 国際連携推進機構, 特命講師 (00734899)
八田 卓也 神戸大学, 法学研究科, 教授 (40272413)
濱本 正太郎 京都大学, 法学研究科, 教授 (50324900)
関根 由紀 神戸大学, 法学研究科, 教授 (60379493)
大西 楠テア (大西 楠・テア) 専修大学, 法学部, 教授 (70451763)
渕 圭吾 神戸大学, 法学研究科, 教授 (90302645)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | 国籍 / 住所 / 移民・難民 / 選挙・参政権 / 所得再分配 / グローバル化 / 正統性 / グローバル法 / 人の国際移動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,グローバル化に伴う人の国際移動の活発化に,移民・難民法制,選挙・参政権,所得再分配,国際民事法の4つの制度がどのように対応しているかを分析する。その際,国籍と住所という人の属性を示す二つの概念を分析軸とする。国籍は国家への帰属であり,住所は生活の本拠である。個人が国籍国に居住する限りは,この二つの属性は緊張関係を有さないが,国籍国から非国籍国へ生活の本拠を移すと,ある面(出入国在留管理や選挙権の行使など)では国籍により,別の面(納税・社会保障など)では住所により,国家との関係を持つようになる。両者の関係を分析することで,グローバル化の下での国家と個人のかかわりを解明することができる。
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研究実績の概要 |
2022年度も、前年度より緩和されたとはいえ、依然として新型コロナウイルス感染症の世界的拡大の影響を受け、予定した外国出張や外国人研究者の招聘の大部分を取りやめざるをえなくなった。また、本研究の柱と位置づけている国際公法学会年次総会がコロナ禍以来対面で行われることになったが、諸般の事情により参加することがかなわなかった。 その一方で、研究代表者および研究分担者による文献調査中心の研究は継続し、研究成果を着実に挙げることができたと考えている。 まず、研究代表者である興津は、外国人の公務就任資格を国民主権の観点から分析した論文において、外国人の選挙権とは異なり、国民主権は外国人の公務就任資格を制限する理由とはならず、むしろ国民主権の観点からは外国人の公務就任資格は国民の代表である国会が法律により規定すべきであるのに、行政実務が「当然の法理」と称して不文の制限を永年維持し、最高裁がそれを追認したことを批判した。また、行政機関が法源に当たらない国際規範(ソフトローと呼ばれるものの一部)を国内において実現する態様を分析し、かつてのココム判決と近時のFATFによるマネー・ローンダリング規制とを対比した。いずれも、本研究課題との関係で大きな成果であると位置づけることができる。そのほか、研究分担者の八田は国際商事仲裁ADRについて、大西はドイツ・EUの移民法制について、近藤はグローバル立憲主義について、渕は公益実現における法の役割について、濵本は国際裁判について、リミヌッチはコロナ禍における労働法制の変容について、それぞれ研究成果を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症の世界的拡大の影響がまだ残っていたために、予定していた国内外の出張を取り止めざるを得ず、国内外の研究者との意見交換の機会が十分に確保できな かった点では、進捗状況にやや遅れが見られるものの、前述のとおり文献研究による成果を着実に挙げることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は繰越しが認められたため、本報告書を執筆しているのは2024年5月であるから、今後の研究の推進方策として2024年度の計画を記すことにする。 2024年度は、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大の影響もおさまり、国内外の出張を含めて予定していた研究活動を再開することができると目論んでいる。 2024年度の最も大きな計画は、7月にスペイン・マドリードで開催される国際公法学会年次総会に参加し、パネルにおいて本研究の成果を報告することである(パネルはすでに応募し、採択済み)。そのほか、国内外の研究者にインタビューを行ったり成果を発表してフィードバックを受けたりするために、適宜出張を行う。 また、2024年度は、本研究がいよいよ最終年度を迎えることから、まとまった形で研究成果を発表することを目指す。具体的には、研究成果を収録した論文集、研究成果を一般向けまたは学生向けに解説した入門書またはケースブック、および研究成果を反映させた行政法の理論的教科書の作成を計画しており、出版に至れば、それを関連分野の研究者や実務家に頒布してフィードバックを得ることも計画している。
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