研究課題/領域番号 |
20H01423
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
國分 典子 法政大学, 法学部, 教授 (40259312)
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研究分担者 |
蔡 秀卿 立命館大学, 政策科学部, 教授 (00262832)
牧野 力也 松山大学, 法学部, 准教授 (10964182)
松井 直之 愛知大学, 法務研究科, 教授 (60468858)
水島 玲央 名古屋経済大学, 法学部, 准教授 (60738904)
赤坂 正浩 法政大学, 法務研究科, 教授 (80167816)
島田 弦 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (80410851)
D. Gangabaatar 名古屋大学, アジアサテライトキャンパス学院(法), 特任教授 (80747147)
岡 克彦 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (90281774)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,250千円 (直接経費: 12,500千円、間接経費: 3,750千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 司法 / 憲法裁判所 / アジア / 台湾 / 韓国 / 憲法裁判 / インドネシア / モンゴル / 違憲審査 / 政治の司法化 / ドイツ / 法の支配 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、東アジアにおいて憲法裁判システムの活性化がどのような司法の変容を生み出しているかを分析するものである。 東アジアの憲法裁判については、政治部門との関係の考察は行われてきたが、憲法裁判が各国の司法自体をどのように変容させているかには注目されて来なかった。アジアでは伝統的に司法に対する不信が強い地域が多い。その中で憲法裁判機関の活動が活発化し国民の支持を得ることは、従来からの司法担当機関に対しても一定の影響を与えていると考えられる。そこで憲法裁判制度と従来型司法部門との関係に着目し、司法自体の変容を検討することをここでの重点課題とし、そこから法の支配の強化、民主主義への影響を展望する。
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研究実績の概要 |
今年度は ① 韓国・台湾における「ドイツ型」導入の背景および発展理由要因の研究 ② 「ドイツ型」導入による韓国・台湾における従来型司法との関係性についての研究 の二点に重点をおいて、各参加者が調査・分析を行うことを予定していた。①に関する法史学的調査研究は2020年度に重点的に行う予定であったが、COVID-19のために海外での調査研究はなお調査が必要な部分が残っていたため、2021年度(繰越期間も含む)はそれぞれの研究参加者が担当地域で関連学術書の文献調査および現地研究者へのインタビュー等を行ったほか、韓国に関しては現地研究協力者から憲法の各領域における憲法裁判状況の報告を受けた。②に関しては、韓国に関しCOVID-19の既成が緩和された2022年に入って韓国担当の國分、岡、水島が現地で専門家へのインタビューおよび資料調査を行った。 台湾については、9月6日に台湾の中央研究院法律研究所李建良所長を招き、オンラインで研究会を行った。台湾は従来の大法官の権限を構成し直し、ドイツ的な憲法裁判所モデルに近い制度を導入することになったところである。そこで司法と政治の関係性に関する専門家である李所長が、①台湾で「政治的な判断」と評された大法官解釈にどのようなものがあるか、②台湾で大法官解釈はいかに政治的に影響を受けないように工夫しているのか、といった観点から報告を行い、その後、参加者の疑問点にさらに台湾行政法の専門家である研究分担者の蔡がこれを補足する報告を行って台湾の現状についての全員の知見を深めた。 また9月29日にインドネシアの専門家である研究分担者島田がインドネシアの憲法裁判の制度および問題点に関する報告を行い、2022年12月4日に台湾担当の松井が台湾司法発展の背景について、韓国担当の水島がこれまでに行った調査結果に基づく上記②の観点からの報告を行い、全員で討論を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19による海外渡航の制限によって、資料収集が遅れている。制限緩和後、海外調査を行い始めているが、各分担者の所属大学での都合等により、現地調査のできる期間が限られており、資料収集を十分に行えていない。
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今後の研究の推進方策 |
本研究プロジェクトが対象とする地域についての法学分野の資料その他の情報は現地でなければ入手できないものが多い。2022年度夏ごろからCOVID-19を理由とする制限が緩和されたので、2023年には、個々の研究参加者がいまだ十分分析できていない部分についての調査・検討を集中的に行う。さらに2023年5月には日本におけるCOVID-19の「5類移行」により日本への外国人研究者の招聘もしやすくなったため、韓国については2023年度に韓国から元大法院研究官を招聘し、講演を依頼するとともに、これまでの本プロジェクトでの研究過程で生じた疑問について確認する予定である。 2020年度の「今後の研究の推進方策」で述べたモンゴル在住の研究分担者ガンガバータルがモンゴル憲法裁判所裁判官に就任したため、ZOOMによる講演会形式で、モンゴル憲法裁判所の設立過程、設立にあたっての海外からの影響、通常裁判所との関係性などについて話をしてもらい、モンゴル憲法裁判所の特徴や韓国、日本、インドネシアとの比較も行う予定である。 また、これまで対面での研究会を行うことができなかったので、各研究分担者の研究進捗状況の報告と最終的なまとめに向けての意見交換を行い、成果報告へと繋げたい。
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