研究課題/領域番号 |
20H01433
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05050:刑事法学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
武内 謙治 九州大学, 法学研究院, 教授 (10325540)
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研究分担者 |
高橋 有紀 福島大学, 行政政策学類, 准教授 (00732471)
大谷 彬矩 信州大学, 先鋭領域融合研究群社会基盤研究所, 助教(特定雇用) (00801622)
服部 朗 愛知学院大学, 法学部, 教授 (40267886)
森久 智江 立命館大学, 法学部, 教授 (40507969)
本庄 武 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (60345444)
相澤 育郎 立正大学, 法学部, 助教 (90715393)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 特定少年 / 年長少年 / 若年成人 / 保護処分 / 新たな処分 / 少年法 / 新たな処遇 / 少年院法 / 更生保護法 / 犯情 / 刑事処分 / 保護手続 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、少年・刑事法制における年長少年(18・19歳の者)と若年成人(20歳から概ね26歳までの者)に対する「新たな処遇」のあり方を多角的かつ総合的に明らかにする。具体的な研究手法と明らかにする課題は次の通りである。 (1)比較法研究に基づく、諸外国における法制度と刑事政策の動向 (2)法学・犯罪学・刑事政策理論研究に基づく、実体的処分、処分賦課の手続・制度、処分の執行・処遇の各段階における「新たな処遇」措置の法的問題と犯罪学・刑事政策理論上の裏づけおよびその妥当なあり方 (3)実証研究に基づく、「新たな処遇」の現実的な可能性と課題
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研究実績の概要 |
本研究は、少年・刑事法制における年長少年(18・19歳の者)と若年成人(20歳から概ね26歳までの者)に対する「新たな処遇」のあり方を多角的かつ総合的に明らかにする目的から、(1)比較法研究プロジェクト、(2)法学・犯罪学・刑事政策理論研究プロジェクト、(3)実証研究プロジェクトに従事した。令和3年度に予定したのは、次の事項であった。 (1)比較法研究:アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、オーストラリアの5カ国の応用的文献資料の収集・分析と実地調査の実施、(2)理論研究:保安処分、修復的司法・問題解決型司法の問題構造の分析・検討、(3)実証研究:中部・九州・沖縄・四国を重点地区とした実地調査と少年司法関係実務の経験者へのインタビューの実施。 この計画の下、令和3年度は、オンラインを活用して、9回の研究会と4回のインタビュー調査を実施した。 (1)のうち実地調査は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が長期化したため実施できなかった。他方、諸外国の応用的な文献の収集と分析を進めた。ドイツ少年司法・刑事司法における年長少年と若年成人に対する法制度の現状と課題、各種処分の法的性質について分析を進めた。 (2)理論研究として、少年法の改正により創設された「特定少年」に関する動きを検討した。その理論的、刑事政策的課題につき検討を進めた。 (3)実証研究も、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けたものの、オンラインをも活用して、インタビュー調査を進めた。アメリカの少年司法実務経験者の他、日本の家庭裁判所調査官経験者、少年矯正実務経験者、保護観察実務経験者へのインタビュー調査を実施することができた。そのことで、年長少年をめぐる外国における制度上・実務上の課題とともに、改正法施行直後の日本における特定少年事件の扱いをめぐる問題を把握することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題の(1)比較法研究のうちの実地調査については、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、当初計画よりも遅れている。しかし、(1)比較法研究のうちの応的な文献資料の収集・分析は、順調に進んでいる。 (2)理論研究は、日本の特定少年をめぐる理論的、実務的、政策的問題の分析を中心に比較的順調に進んでいる。これについて、研究成果の一部は、論文や学会報告において公表している。 (3)実証研究は、アメリカの少年司法実務経験者の他、日本の家庭裁判所調査官経験者、少年矯正実務経験者、保護観察実務経験者へのインタビュー調査を実施することができた。これについては、順調に実施できている。 総合的にみて、新型コロナウイルス感染拡大の影響により実地調査を行えていないことが課題となっている。今後の比較研究や理論研究も実地調査を踏まえる必要があるため、この点を加味して、進捗状況につき「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の影響を見通しつつも、やや遅れがある(1)比較法研究のうちの実地調査を積極的に進める。また、(3)実証研究の実地調査も積極的に進める。 (3)実証研究のうちインタビュー調査も、オンラインの活用をも図りながら、より一層進める。とりわけ、特定少年制度の運用状況について積極的に調査と分析を進める。 (2)理論研究の部分については、(1)比較法研究と(3)実証研究の成果も踏まえつつ、一層の精緻化を図る。 まとめることができる成果は適宜論文や学会報告の形で積極的に公表していく。
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