研究課題/領域番号 |
20H01451
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
品田 裕 神戸大学, 法学研究科, 教授 (10226136)
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研究分担者 |
大西 裕 神戸大学, 法学研究科, 教授 (90254375)
砂原 庸介 神戸大学, 法学研究科, 教授 (40549680)
藤村 直史 神戸大学, 法学研究科, 教授 (20551493)
鹿毛 利枝子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (10362807)
濱本 真輔 大阪大学, 大学院法学研究科, 准教授 (20625850)
平野 淳一 甲南大学, 法学部, 准教授 (10550949)
重村 壮平 広島大学, 人間社会科学研究科(社)東千田, 助教 (40888020)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 選挙制度 / 投票行動 / 小選挙区比例代表並立制 / 議員活動 / 復活当選 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、1994年に導入された小選挙区比例代表並立制が、①政党システム、②政党組織、③議員の行動、④有権者の投票行動に与えた効果を明らかにする。 小選挙区比例代表並立制は、多数代表と比例代表の折衷・中間的制度ではなく、その内包する制度的要素により独自の効果を与えるため、当初の期待とは異なる結果を日本政治にもたらしてきた。このことを、オンラインでのサーベイ実験や回帰非連続デザイン等の自然実験といった実験的手法およびこれまで蓄積してきた公約等の計量テキスト分析を組み合わせ検証する。 このことにより、並立制への見方を一新し、選挙制度の類型・効果に関する理解を深化させる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、「小選挙区比例代表並立制が政治的帰結に与える影響」を明らかにすることである。具体的には、政治過程の重大な要素である①政党システム、②政党組織、③議員行動、④有権者の4つを検討する。2022年度は、2020年度・2021年度に引き続き、先行研究を整理しつつ理論面で仮説構築を行い、また各種のデータの収集加工を進める作業を進めつつ、これまでに得た各種データを用いた実証分析を精力的に進めた。 理論構築に関しては、22年度は実際の分析を念頭に、①政党システム、②政党組織、③議員行動、④有権者のテーマごとに、各研究者が鋭意、研究を進めた。残念ながら、22年度も慎重を期したため、対面形式による研究会は行わなかったが、オンラインで個々の研究間の調整と相互理解に努めた。データの収集加工に関しては、基礎的な各種選挙(特に夏に行われた参議院通常選挙)に関するアグリデータや選挙公約などのテキストデータの整備を行った。また、21年度末に得たサーベイデータの分析に有用な加工を行うとともに、新たに試験的な調査も含めた準備を進め、最終的に22年度末に地方政治に関するサーベイデータを得た。 実証分析については現時点での理論的予測を検証した。具体的には、並立制の下での有権者や政治家、あるいは政策に対する影響の実証分析を進めた。議員行動や政党制に関しては、複数のメンバーが並立制の下での特徴を明らかにしたが、その成果は図書の執筆刊行により日本政治への全般的理解に大いに資するものとなった。有権者レベルに関しても、政治参加を主に複数のメンバーが分析を進め、知見を学会報告や論文公表により明らかにした。また、21年度に行った調査のデータを分析することで、現代の選挙において有権者が政策や候補者をどのように評価するかという点に関しても分析が進められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、「小選挙区比例代表並立制が政治的帰結に与える影響」を明らかにすることである。具体的には、政治過程の重大な要素である①政党システム、②政党組織、③議員行動、④有権者の4つを検討する。2022年度は先行研究の整理および理論面での仮説構築を行うととともに、各種のデータを集め、また、実証分析に精力的に取り組むなど、研究活動を進めた。 理論的検討に関しては、②政党組織と③議員行動の成果が既に一部の公表された業績に反映されている。また、①・④についても、各研究者がこれまでに進めてきた研究関心の延長線上を主に、特に④に関し政治参加を中心に精力的に分析を行うなど、相応の進捗をみている。特に濱本は、政党組織・議員活動等について、従来から蓄積してきた研究成果をまとめた集大成を発表した。鹿毛は、自らの研究関心に従い、移民や民主化といった分野について有権者の意識を精力的に分析した。藤村・鹿毛・平野は政党組織・議員行動や地方政治の理解を深めるべく、従来の研究活動の成果を活かし実証的にその知見を提示した。重村・藤村・品田は主に政治参加を選挙制度に関し分析を進めた。その成果は複数の学会で報告され、一部は文字媒体で発表された。 データの収集加工に関しては、基礎的な各種選挙(特に2022年夏に行われた参議院通常選挙)に関するアグリゲートデータや選挙公約などのテキストデータの収集加工を精力的に進めた。また、有権者レベルの意識や行動に関する調査を予備的調査も含め22年度後半に行い、最終的には統一地方選挙直前に阪神地域で地方政治に関するサーベイデータを得た。 一部、依然、インタビューなどに基づく質的データの作成や対面による研究会の実施などが進めることができなかったが、それ以外の部分に関しては概ね順調に研究活動を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度についても、基本的には当初の研究計画通りに進める予定である。「小選挙区比例代表並立制が政治的帰結に与える影響」を、①政党システム、②政党組織、③議員行動、④有権者の4つに関し検討する。代表者の総括の下、4つの対象ごとに複数の分担研究者が主となって研究活動を進める。 最終年度なので、実証分析の一層の深化を進めるとともに、最終的な研究成果をまとめていく。しかし、研究期間の前半において新型コロナ感染症の流行や総選挙の実施などの事情から、研究上、十分でない点が生じていることも否めない。その点を補う意味でもデータの収集・加工作業を継続的に行う。データの収集・加工に関しては、2021年度目に行った総選挙関連のものから昨年度末に行った地方政治関連のものまで、これまで行ってきたサーベイ調査について、時点や制度の違いがわかるように、予備調査も含め、データを整備するほか、各種のアグリゲートデータ・テキストデータについても拡充を目指す。 実証分析に関しては、以下の点に留意し、仮説を検証する。政党システムについては、小選挙区での候補擁立が比例代表の得票に与える影響、また、比例区での当選可能性に応じた小選挙区での擁立状況に着目する。政党組織や議員の政策活動については、公約データのテキスト分析等により、政策位置に関して同一選挙区の現職議員の存在の影響や党中央との異同が明らかにしたい。有権者については、比例復活に関連して、支持候補に対する評価やそれらと政策内容に関する態度との関連などを分析する。これらの分析から得られる知見に関しては、メンバー間の議論を重ね、研究成果につなげていきたい。研究成果は、随時、ワーキングペーパーの執筆や研究会等を通じフィードバックを得た上で、再検討を重ね、最終的な知見としてまとめる予定でいる。
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