研究課題/領域番号 |
20H01453
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
野中 尚人 学習院大学, 法学部, 教授 (90264697)
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研究分担者 |
濱本 真輔 大阪大学, 大学院法学研究科, 准教授 (20625850)
谷口 将紀 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (60251435)
高安 健将 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (90399783)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 政治改革 / 半議院内閣制 / 政権交代 / 国会 / 代表制 / 地方政党 / 選挙制度 / 一党優位制 / ポスト55年体制 |
研究開始時の研究の概要 |
1990年代以降、様々な政治制度改革が行われてきた。特に、中選挙区制から小選挙区比例代表並立制への選挙制度改革と、政府内部での政治主導体制の強化である。後者には、1府12省体制への転換や、内閣人事局の創設を伴う公務員人事への官邸の影響力の強化などがある。 本研究の目的は、これらの政治改革が現実にどのような結果をもたらしたのかを理論的に、またデータに基づいて実証的に検証しようとするものである。 政治制度改革の帰結はどの国でも複雑で、単純な要約は難しいが、特にポスト55年体制という独特の文脈の下、日本では、かなり予想外の展開を見せたと言える。 本研究は、それらの本質的な意味を探るものである。
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研究実績の概要 |
本研究は、政治制度改革後の日本政治について、政権交代論のメカニズムにはどのような特質があるのか、また、それは、戦後長い期間にわたった一党優位制論の特質とどのような関連があるのかについて掘り下げた検討を行うとともに、「半議院内閣制」という新しい民主主義のモデルを用いた分析を組み合わせることによって、その特質を総合的に解明することである。 本年度は、本プロジェクトの第3年度に当たり、理論的な検討とデータの取得・データセットの整備などを進めた。まず理論的な面では、選挙情勢の変化、政党支持の変遷などを含んだ代表制に関わる検討、政党の役割から見た中央-地方関係の検討、半議院内閣制論についての分析・評価などを行った。 また、データの取得・整備については、政党の政務調査・政策活動、地方レベルでの活動、政治資金に関わるデータの整理、内閣制度・リーダーシップ論をめぐる情報の整理、国会に関する広範なデータの取得を進めた。こうしたデータに基づいて一部は論文の作成に進み、そのうちのいくつかは学術的な雑誌での掲載に至ったものや書籍としての出版に至ったものもある。また、一部の論文は国際的な雑誌において査読を受けているものもある。 他方で、海外研究者との交流・学術協力に関しては、必ずしも順調には進めることができなかった面もある。第2年度から実施に向けて動く計画であったものの、コロナのために一旦第3年度に延期され、さらに状況が好転しなかったため、これについては、第4年度で実施する方針に変更した。なお、研究会は5回開催したが、いずれもZoomによるものであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全体の進捗状況は、コロナに関わる難しい状況もあり、第1-2年度にやや遅れていたが、第3年度にはかなりその遅れを取り戻してきたと考えている。 データの取得・整理にはかなりの進捗が見られ、同時に理論的な検討にも相当な前進があったと考える。したがって全体としては、おおむね当初計画していたものに近づいてきたと考えられる。成果としてペーパーの作成なども進みつつある。 今後は、海外研究者との交流を通じて、これまでの研究の成果について多方面への活用の方策を実現したい。国際的な雑誌などへの発表も一層進めることも重要である。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに蓄積したデータを効果的に活用しながら、メンバー間での意見交換を緊密にすることで、成果物、特にペーパーとして結果にまとめていく作業を本格化させていきたい。 同時に、海外から有力な研究者を招聘し、本プロジェクトのメンバーとの意見交換だけでなく、広く様々な関係者との交流の機会を設け、本研究が対象とする広い日本政治コンテキストの中での知見の集約を進めることが望ましいと考える。
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