研究課題/領域番号 |
20H01466
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 広島大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
伊藤 岳 大阪公立大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (80773895)
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研究分担者 |
吉田 雄一朗 広島大学, IDEC国際連携機構:CEPEAS, 教授 (70339919)
TRAN ANH・DUC 一橋大学, 社会科学高等研究院, 特任講師 (10868467)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,250千円 (直接経費: 12,500千円、間接経費: 3,750千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | 武力紛争 / 地理情報システム / 画像解析 / 機械学習 / 実証分析 / 歴史現象の長期的影響 / 地理情報システム(GIS) |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は画像資料・史料と機械学習・画像処理技術を用いて,歴史的・現代的な政治現象の実証分析に取り組む。具体的には,(1) 航空写真・地図・衛星画像を機械学習・画像処理技術で処理し,サブナショナルな単位での戦災・植民地期インフラ投資等をデータ化する。次いで,(2) 作成したデータと統計的因果推論の手法により,a)歴史的現象(e.g., 植民地統治の地理的拡大)の決定要因,b)歴史的現象の長期的影響(e.g., 植民地期投資の現在の経済発展への影響),c)現代的現象の短期的影響(e.g., 国境付近の「緩衝地帯」設定の,内戦の地理的展開への影響) と,d)背後に働く因果メカニズムを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究計画の目的は,電子化や公開が進む画像資料・史料を機械学習・画像処理技術を用いて計量分析に活用し,「データとしての画像」というアプローチに基づく,新たな実証的知見を提示することにある。具体的には,(1)航空写真・地図・衛星画像(e.g.,植民地の鉄道敷設・行政地図,近年の衛星画像)を機械学習・画像処理技術で処理し,サブナショナルな単位で植民地期のインフラ投資等をデータ化する。次いで,(2)作成したデータと統計的因果推論の手法により,(a)「歴史的現象の決定要因」(e.g.,植民地統治の地理的拡大の決定要因),(b)「歴史的現象の長期的影響」(e.g.,植民地期投資の現在の経済発展への影響),(c)「現代的現象の短期的影響」(e.g.,国境付近の「緩衝地帯」の設定の,内戦の地理的展開への影響)と,(d)その背後に働く因果メカニズムを明らかにする。
具体的には,今年度は(1)新たなデータの作成とそれを用いた実証分析,(2)海外での資料収集,サーベイ調査とフィールド実験,および(3)収集した資料,サーベイ調査とフィールドを用いた実証分析をそれぞれ進めることができ,成果の一部をまとめた論文の投稿にも至った。特に(1)については,従来実証研究での活用が進んでいなかった,ベトナム戦争期における米軍による枯葉剤散布記録と関連データを整備し,これらのデータを用いた枯葉剤の長期的影響を巡る実証分析を進めることができた。また,ベトナム戦争期の枯葉剤散布が残した長期的影響を扱った論文等,従前より投稿していた論文の公刊や新たな論文の投稿につなげることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果を論文等の形で公表することができ,継続中のデータ作成,分析や新たな実験,分析の準備も進めることができた。海外で実施予定だったフィールド実験については一部延期,見直した実験,分析等もあるが,今後も論文等の形で成果を提出できるよう,データ作成・収集・分析等の作業を進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
来年度以降も,引き続きデータ作成・収集・分析等の作業を進める。また,2022年度まで新型コロナウイルスの影響もあり延期していた現地での資料収集,サーベイ調査,フィールド実験等や,それらに基づく分析や論文等の成果取りまとめを中心に,研究計画を進める。
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