研究課題/領域番号 |
20H01478
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
石川 竜一郎 早稲田大学, 国際学術院, 教授 (80345454)
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研究分担者 |
金子 守 筑波大学, システム情報系, 名誉教授 (40114061)
秋山 英三 筑波大学, システム情報系, 教授 (40317300)
花木 伸行 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (70400611)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | 帰納的推論 / ベイジアン自白剤 / 経験 / サービス / 限定合理性 / 経験財 / スコアリングルール / 情報の非対称性 / 行動伝播 / リコメンデーション / 自己評価 / 選好形成 / 効用比較可能性 / 進化ゲーム / 経験評価 / 推薦システム / 情報取得 / 金融市場 / ゴミ箱モデル / 資産市場 / 類似度 / 分類 / 推薦意向 / 不完備情報ゲーム / 経験材 / 情報提供システム / 帰納的ゲーム理論 / 動的認識論理 |
研究開始時の研究の概要 |
近年のGDPの7割を占めるサービス産業の多くは、経験財を供給する。経験財とは、消費から得られる効用を消費経験なしには評価できない財を指す。また、過去に消費していても、消費のタイミングや消費者の経験の蓄積で評価が変化する財も含まれる。たとえば大学教育において、学生は講義を事前に評価できない。また、同じ学生が同じ講義を受講しても、入学直後と卒業直前では知識の蓄積の違いから評価も異なる。 本研究では、こうした特徴を持つ経験財消費の意思決定理論を構築し、その理論を経済実験や計算機シミュレーションを通じて検証する。特に近年、amazon等のeコマースで用いられている推薦システムの役割に焦点を当てる。
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研究成果の概要 |
本研究の成果は、主に以下の3つの点に集約される。第一に、限定合理的主体の意思決定に関する研究で、認知能力のパラメータ導入によって、意思決定に影響を与える慣性行動との関係が明らかになった。第二に、経験財評価のための新しいスコアリングルールとして、ベイジアン自白剤に類似したルールを提案した。このルールは、提案されたアイデアが顧客の潜在的な需要と一致する程度を評価するものである。第三に、これらのスコアリングルールを用いて、サービス提供者の新サービスに対する消費者の潜在需要を予測し、その予測に基づくマッチングの設計が可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の社会的意義は、消費者が経験財を選択する際の意思決定を支援する評価・推薦システムの信頼性と有効性を向上させることにある。これにより、消費者はより正確な情報に基づいて意思決定を行い、経済活動の効率性を高めることができる。学術的意義としては、限定合理性を考慮した集合知メカニズムの理論的枠組みを構築し、その有効性と問題点を明らかにすることで、経済学や情報科学の分野に新たな知見を提供する点が挙げられる。さらに、サービス産業における消費者の潜在需要を正確に予測し、サービス提供者とのマッチングを最適化する方法論の提案も、実務的応用価値が高い。
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