研究課題/領域番号 |
20H01479
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
山田 克宣 近畿大学, 経済学部, 教授 (80533603)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | 社会効用 / 情報介入 / 政策デザイン / social esteem / self image / 特許 / 特許の没収 / R&D |
研究開始時の研究の概要 |
人間は自分の行動を決める時に、他人の考えや行動にどの程度影響されるのであろうか。また、他者の影響は、どの様な経路を辿って自分の意思決定に介在してくるのであろうか。本研究では、これらの疑問に答えることで「社会効用効果」の本質をこれまで以上に明らかにする。社会効用効果は個々人の市場経済における活動に対して、市場全体としての効率性を損なう負の影響を与える可能性があり、それを緩和するため政策介入を行うことが重要である。この目的のため、社会効用の影響を受ける行動について、変容を促すための情報介入政策を実験で検討し、最適な政策デザインを導出するのが本研究の固有の課題である。
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研究成果の概要 |
本課題では3件の実験を行い、社会効用の本質と情報介入政策の効果に対する理解を深めた。一つ目に、social esteemとself imageを切り分ける離散選択実験を米国を中心に行い、社会効用が発生する根本要因を探究した。次に、本課題の期間がコロナ禍と重なったため、ステイホームを促進する目的の情報介入手段として、社会効用効果に訴えることの効果を検証するRCT実験を日本で行った。最後に、コロナワクチンの特許権が没収されるという国連決議で決議を受け、実際の技術開発者の開発意欲がそのようなニュースによってどのような影響を受けるのか、そして社会効用がどのような作用をもつのかを検証する実験を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題の学術的意義は以下の2点である。まず社会効用の発生要因を既存研究とは異なる方法で識別した点がある。フィールドデータを用いた過去の研究ではsocial esteem効果とself image効果の識別は完全には行えなかったが、統制された実験データに依拠する本課題ではクリーンな識別が可能であった。2点目として、行動経済学の主たるテーマである情報介入ナッジに対する知見を蓄積した点がある。本課題の社会的意義としては、今後の情報介入政策を、今回の介入実験の結果に即して効果的にデザインできる点があげられる。特に政策効果の異質性が発見されたことが重要であり、異質性を見越したデザインが重要である。
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