研究課題/領域番号 |
20H01482
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07030:経済統計関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
新谷 元嗣 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (00252718)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 機械学習 / 時系列モデル / 経済予測 / ビッグデータ / マクロ政策評価 / 非構造化データ |
研究開始時の研究の概要 |
テキストデータ、画像データ等を含んだ大規模なデータ(ビッグデータ)を処理するための機械学習手法は近年急速に進化しており、経済分析への応用範囲も益々広がっている。この機械学習的なアプローチの利点を生かし、既存のマクロ計量経済分析の手法と組み合わせることによって、大規模なマクロデータの根拠に基づく(evidence-based)マクロ経済政策を目指した計量手法を開発し、現実のデータに適用する
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研究実績の概要 |
ミクロ労働市場のビッグデータの動きと整合的な動学的マクロ経済モデルを推計し、政策効果評価を行った。特にフルタイムとパートタイムの2種類の労働者が、二重労働市場で求職活動を行う場合、労働市場間での直接移動が重要であることをミクロデータで示し、その構造を取り込んだ動学的な労働サーチマクロモデルをベイズの手法を用いて推定した。米国のデータで推定されたモデルは正循環的なフルタイム雇用と、反循環的なパートタイム雇用を含む、現実のマクロ経済変動をうまく説明できることが示された。 また景気ウォッチャー調査の景気スコアと文章の関係をニューラルネットワークで学習したモデルを用いて、新聞記事データから日次の実体経済に関するニュース先行指数を計算した。そこで採用した学習モデルではスコアを連続変数として扱うと同時に、先行きと現状の2値分類問題としてとらえることで、先行指数と一致指数が計算された。このニュース指数をインフレ率の将来予測のための時系列モデルと組み合わせることで、その有用性を確認した。 また標準的なマクロ分析の時系列モデルであるVARモデルを用いて、マクロ経済変数間の長期的な依存関係が非線形的に変化するような場合を考慮できる新しい枠組みを提案した。その新しい分析手法を日本の国債利回りに応用し、その動きをマクロ経済理論と整合的に説明できることを示した。 これらの研究成果を学術雑誌に出版し国際学会で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究計画にある、機械学習を用いたマクロ経済分析のなかで、ビッグデータやテキストデータを用いた研究論文が学術雑誌上で公表された。 また他の研究成果はワーキングペーパーとして刊行され、バーチャル開催された国際学会で報告した。 一方で、COVID19の影響により、海外出張が中止となり、海外共同研究者と直接対面して共同研究を進める予定が延期となった。
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今後の研究の推進方策 |
研究はおおむね順調に進捗しているものの、海外共同研究者との共同研究の計画部分については研究計画の一部変更を加えた。
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