研究課題/領域番号 |
20H01494
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
文 世一 京都大学, 経済学研究科, 教授 (40192736)
|
研究分担者 |
河野 達仁 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (00344713)
西山 慶彦 京都大学, 経済研究所, 教授 (30283378)
伊藤 亮 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (30516000)
松島 格也 京都大学, 工学研究科, 准教授 (60303848)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
|
キーワード | 公共交通 / 交通経済学 / 都市経済学 / 土地利用 |
研究開始時の研究の概要 |
地球環境の保全や人口減少社会に対応するため、都市のコンパクト化政策が世界的潮流になっている。都市中心部で土地利用の密度を高めるよう、人々の立地選択を誘導するための手段として、LRT(次世代型路面電車)などの公共交通システムの整備が注目されている。 本研究では、都市経済学の土地利用モデルに公共交通システムの設計変数(鉄道の路線長、駅数、料金など)を導入し、それらが都市構造および経済厚生に及ぼす影響を分析する。さらには最適な設計変数の決定ルールを理論的に導出するとともに、実際のデータに基づいて設計変数最適化の効果を定量的に評価する。
|
研究実績の概要 |
前年度に引き続き、公共交通システムの設計変数を組み込んだ土地利用モデルの開発を進めた。 同じ都市の中で鉄道と自動車の交通手段選択をモデル化するため、多数のコリドー(交通リンクのまわりに形成された住宅地)から成るシステムとして都市空間をモデル化した。各コリドーでは、主たる交通手段として鉄道あるいは自動車のみが用いられる。すなわち家計は立地するコリドーの選択を通じて交通手段の選択も行うことになる。現実においても自動車中心の都市から公共交通中心の都市への移行は、鉄道路線の追加によって漸進的に進むと思われるが、このような過程は自動車コリドーを鉄道コリドーで置き換えることにより記述される。 このモデルに基づいて、公共交通システムの設計変数が都市構造と経済厚生に及ぼす効果を、数値シミュレーションにより分析した。設計変数としては、路線長と駅の間隔(駅の数)を取り上げた。分析の結果、路線長を延長や駅数の増加により、自動車コリドーから鉄道コリドーへの立地移動が生じ、その結果、都市の土地利用がよりコンパクトになることが示された。 また、公共交通システムの設計変数が土地利用に及ぼす影響について実証分析を行うため中国の武漢市のメッシュデータの整備と計量分析の手法について検討を進めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理論分析については、おおむね順調である。実証分析については、データ整備に手間取っている。その原因はメッシュデータにおいて座標の調整が必要になったためである。
|
今後の研究の推進方策 |
理論分析については、設計変数の内生化に取り組む。具体的には鉄道会社が利潤最大化するような路線長と駅数を求める問題を設定し、その解が社会的最適の場合との異同について明らかにする。また公共交通システムの整備と土地利用規制を組み合わせることによる土地利用誘導効果を検討する。これら2つの政策手段が相乗効果を生 み出すか否かを評価することをめざす。 土地利用の変化過程に関する動学分析に着手する。静的な長期均衡を想定したモデルに基づく分析とは異なり、土地利用変化に時間と費用を要する点を考慮する。特に問題となるのは空き家の存在である。まずは空き家が建つ土地の所有者(地主)の選択行動をモデル化する。
|